世界初の装置、製品化 キヤノン宇都宮事業所で製造 半導体回路を転写

ナノインプリントリソグラフィ技術を使った半導体製造装置

 キヤノンは、半導体デバイスの製造で最も重要な回路パターンの転写を担う最新の半導体製造装置を発売した。ナノインプリントリソグラフィ(NIL)技術を使った装置で、シンプルな仕組みで微細な回路パターンを形成できるという。

 宇都宮市清原工業団地の宇都宮光学機器事業所で開発、製造している。同社によると、NIL技術を使った半導体製造装置の製品化は世界で初めて。

 発売したのは「FPA-1200NZ2C」。従来、ウエハー上に塗布された樹脂に光を照射して回路を焼き付けている。新製品は樹脂に回路パターンを刻み込んだ型をはんこのように押しつけて、最小線幅14ナノメートルの回路パターンを形成するのが特徴。複雑な2次元、3次元の回路パターンを1回の工程で形成できる。

 生産性向上やコスト低減につながるほか、消費電力も削減でき、二酸化炭素(CO2)の排出削減にも貢献できるとしている。

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