未盗掘木棺の発掘始まる、奈良 富雄丸山古墳、副葬品に期待

新たな発掘調査が始まった奈良市の富雄丸山古墳について説明する同市埋蔵文化財調査センターの鐘方正樹所長=4日午前

 国内最大の蛇行剣と盾形の銅鏡が出土した奈良市の富雄丸山古墳(4世紀後半)で4日、新たな発掘調査が始まった。剣や鏡とともに見つかった木棺の内部を調べる。木棺は保存状態が良く未盗掘で、被葬者像の解明につながる副葬品の有無に注目が集まりそうだ。

 富雄丸山古墳は直径約109メートルで日本最大の円墳。墳丘北東側に張り出した造り出し部にある埋葬施設の粘土槨から、蛇のように曲がった長さ2.3メートルの蛇行剣と、空想上の怪獣「だ龍」が表現された盾形銅鏡が見つかり、1月に奈良市教育委員会などが発表した。

 剣と鏡は木棺に添えられるような形で木棺の外に置かれ、木棺はふたの一部も残存していた。

富雄丸山古墳「今回調査する木棺がある粘土槨」(イメージ)

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