亡きクレイグ・ブリーンの財団が誕生。ヒョンデなどの協力のもと、次世代の若い才能をサポートへ

 12月1日、アイルランド出身の元WRC世界ラリー選手権ドライバー、クレイブ・ブリーンの名を冠した『クレイグ・ブリーン財団』の設立が発表された。

 今年4月、ブリーンはWRC第4戦『ラリー・クロアチア』に向けたプレイベントテストの最中に起きた、不運な事故によって33歳でこの世を去った。同財団はこのアイルランド人ドライバーを追悼し、彼が生前に力を注いでいた後進育成の意志を継ぐ目的で設立されたものだ。

 ブリーンは事故で亡くなる直前、ラリー競技を始めたばかりのアイルランドの若い才能がトップレベルの舞台に進むための道を開くためのサポートと、資金援助を約束していた。

 1日に設立が発表されたクレイグ・ブリーン財団はこのキャンペーンを継続し、さらに発展させることを目指している。ブリーンが生前に所属していたヒョンデ・モータースポーツをはじめ、スポーツ&ユー、ヒョンデ・ポルトガル、ヒョンデ・スペイン、モータースポーツ・アイルランド、そしてFIA国際自動車連盟の支援を受ける同財団は、2024年から最低5年間、14歳から17歳を対象としたアイルランドJ1000フォレストリー・シリーズをサポートすることを約束。総額3万5000ユーロ(約560万円)以上の賞金を2024年の同シリーズで利用できるようにする予定だ。

 この中では故人の誓約を基に、J1000フォレストリー・シリーズの各ラウンドで1000ユーロ(約16万円)相当の賞金が提供されることが確認されたほか、チャンピオンシップ上位3名のドライバーに対し、2025年の活動支援金としてランキング1位の選手に5000ユーロ(約80万円)、2位と3位の選手に各3000ユーロ(約48万円)のサポートと、ブリーンともコンビを組んでいたWRCコドライバー、ポール・ネイグルから1日ペースノート指導を受けられる機会が設定された。

 また、シリーズ1位と2位の選手はジョン・ハウランド・ラリー・スクールでの1日分の授業料を受け取ることができ、チャンピオンにはヒョンデ・スペインとヒョンデ・ポルトガルの支援により、スペイン/ポルトガル・ヒョンデi20カップの1戦に参加するための資金も供給される。

 アイルランドの若手ラリードライバーをサポートするべく立ち上げられたクレイグ・ブリーン財団は、設立に際し声明で次のように述べている。

「クレイグ氏の功績を称えるために、すでに当財団を支援してくださっている企業、団体、個人、すべての関係者にこの場を借りて感謝したいと思います。とくに財団の設立に尽力してくださったヒョンデ・モータースポーツには感謝いたします」

クレイグ・ブリーンがドライブするヒョンデi20 Nラリー1 2023年WRC第2戦スウェーデン
ラリージャパン2023の会場となった豊田スタジアムに設置されたクレイグ・ブリーンの追悼ブース

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