挑戦10年、若手農業者のリンゴと地域への愛がついに実った。二戸市などの10人による「にのへフルーツの里発信研究会」(荒谷直大会長)は、リンゴのブランド「恋するみつ子」を立ち上げた。希少品種「おいらせ」の蜜入り指数が高い果実を厳選。完熟状態は品質管理が難しいが、試行錯誤を重ねて最適な生育方法をつかんだ。地域産業全体の盛り上げを見据え、生産拡大を図る。
恋する―は強い甘み、シャキシャキした食感が特長だ。会長の荒谷さん(39)は同市石切所の果樹園に立ち「多くの人に味わってもらえるように生産量を確保していきたい」と大事な果実を見つめる。
おいらせは青森県で開発された中生種。新岩手農協によると、平均的なリンゴより100グラムほど重い。恋する―は、蜜入り指数2.5、糖度14度以上と高い基準を設定した。全体の2割弱が選ばれ、新ブランドで大阪や東京に出荷された。