フィリピン付近で発生の地震で静岡県内にも一時 津波注意報…焼津市など津波観測 専門家は「数十センチの津波でも…」注意促す

2日 深夜、フィリピン付近で発生した地震の影響で、静岡県内に津波注意報が発表され、焼津市などで津波が観測されました。専門家は「数十センチの津波でも船が転覆する恐れがある」と注意を促します。

2日午後11時37分ごろ、フィリピン付近を震源地とするマグニチュード7.7の地震がありました。気象庁は、静岡県を含む太平洋沿岸の広い範囲に津波注意報を発表。3日午前9時に、全て解除されました。

県内で予想された津波の高さは最大1メートルで、県内では熱海市の沿岸地域と沼津市の海岸、及び河口付近に避難指示が出され、熱海市、下田市、松崎町で避難所が開設されました。津波は、県内沿岸にも到達し、焼津市、西伊豆町田子、沼津市内浦で10センチ、御前崎市で数センチの津波を観測しました。県によりますと、これまでに津波による被害の情報はないということです。また、地震の影響で、3日、県内各地で予定されていた地域防災訓練の多くが中止となりました。

地震のメカニズムに詳しい常葉大学の阿部郁男教授は、今回の地震はフィリピン海プレートが沈み込む一連の活動により発生したもので、南海トラフへの影響はないと説明します。

(常葉大学 阿部郁男 教授)

「フィリピンのミンダナオ島の沖で地震が発生したが、フィリピン海プレートの沈み込みによって起きた、プレート境界型の地震だ」「今回のフィリピンの地震は数千キロ離れているので、南海トラフに直接影響を与えるようなことはないと思っている」

また、数十センチの津波でも、命を落とす危険があるとして、津波注意報が出された場合は「すぐに海から離れてほしい」と注意を促します。

(常葉大学 阿部郁男 教授)

「数十センチの津波でも船が転覆りするので、流れに流されてしまう。乗っていた小さな漁船が転覆して海に落ちて犠牲になることも考えられるので、注意報が出ている間は、なるべく海岸には近づかない。そういったことを気を付けることが大切」

津波は、火山の噴火など地震以外でも起きることがあるため、阿部教授は、揺れを感じなくても津波に関する情報が出た場合は、海岸付近から離れ、避難することが重要だと指摘しています。

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