大規模な設備によるモノづくりを支えているのは人の手!? 「愛知製鋼」知多工場のスゴ腕職人に密着

工場内にはなんとドローンパイロットも!?

クランクシャフトやリングギアといったパーツをはじめ、車に欠かせない部品を製造している愛知製鋼・知多工場。さまざまな合金を混ぜて特殊鋼を作り、ダイナミックにプレスする大規模な機械設備が稼働しています。実はその製造現場を支えているのは“人の手”なんです。今回は現場を支えるスゴ腕たちに迫ります。

金型仕上げ/工機課 松浦さん

製品に合わせた金型はなんと1400種類以上

鋼材をプレスする鍛造の工程では、高温に熱した鋼材に金型を当てて、部品を成形していきます。鋼材はもちろん、プレス機で大活躍していた金型も自動車部品の製造に欠かせない存在です。愛知製鋼では金型も自社で製造していて、製品の品質を守るために毎日、新品の金型と交換しているそうです。

職人さんの手で守られている金型の品質

そんな金型づくりには、実は熟練の職人さんの手が加わっています。職人の松浦さんは、この道29年のベテラン。社内に数人しかいない、金型仕上げのスペシャリストです。仕上げ前の金型は少しザラザラしていますが、松浦さんの研磨によって驚くほどピカピカに!

金型を削り過ぎてしまうと、鍛造した場合にその凸凹が製品に移ってしまうため注意が必要なんだとか。姿勢を一定にして加工しないと面がきれいに仕上がらないそうです。細かい箇所を削るために、砥石自体の形状を変えていく作業はまさに職人技です。

部品開発&アスリート/陸上部 山西さん

日々の仕事と陸上競技を両立する山西選手

次に密着したのは、愛知製鋼本社の廊下を早足で歩く社員・山西さん。実は東京オリンピック20キロ競歩で銅メダルを獲得した陸上選手なんです。午前9時から午後3時ごろまで毎日仕事をしながらトレーニング。なんと1日20キロも歩きこんでいるそう。

どの配合がその部品に適しているかシミュレーション

トップアスリートでありながら京都大学出身と二足のわらじを履く山西さん。エンジンや駆動部品に使える材料のシミュレーションをする重要な仕事を任されています。用途に合わせて、特性を変えられる特殊鋼。山西さんは、そのベストな配合を研究するメンバーの一員なんです。

職場一丸となって応援

競技も仕事も全力投球! その姿から職場の信頼も厚く、大きな大会のたびに寄せ書きをプレゼントされるなど、社員からエールをもらっているそうです。「前回の東京では銅だったので、パリは金を目指す」と意気込みを語ります。

ドローンパイロット/動力・ユーティリティ設備課 伊藤さん

ドローンパイロットの資格を持つ伊藤さん

最後に話を聞いたのは、設備課に所属する伊藤さん。社内でも珍しい「ドローンパイロット」の1人です。学科と実技試験をクリアし、難関ライセンスを取得しました。ドローンから送られる映像を見ながら、配管や外壁に損傷などがないか、細かくチェックしていきます。

新しい技術で、ラジコンで点検するような面白さもポイント

この検査方法が導入される以前は双眼鏡で点検したり、足場を組んで点検したりしていました。ドローンを導入したことで、どこでも点検が可能に! 安全性が向上し、足場を組むコストもかからなくなりました。

大スケールの愛知製鋼・刈谷工場をドローンで撮影

製造現場の安全を守ることも、モノづくりに欠かせない要素です。実は伊藤さん、番組のために工場の全景を撮影してくれました。巨大工場の大パノラマは迫力があります。

愛知製鋼刈谷工場の現場では、何人ものスペシャリストの働きにより、製品が安全に作られ続けています。こうした縁の下の力持ちの存在が、日本の製造業を支えているのですね。

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