歩行者優先の街づくりにグッジョブ 阪急が神戸三宮駅周辺開発で土木学会デザイン賞

歩行者優先のエキマチづくりで終日にわたってにぎわう阪急の神戸三宮駅界わい。高架下商店街もリニューアルされた(写真:土木学会)

神戸市中央区の阪急神戸三宮駅の北側一帯に広がる「サンキタ通り・広場/神戸三宮駅周辺地区」が、新しい街づくりを評価する土木学会の「デザイン賞2023」で優秀賞を受賞した。授賞セレモニーは2024年1月20日に、東京・四谷の土木学会本部で。

表彰を受けるのは阪急電鉄のほか、行政の神戸市、設計施工の久米設計、大林組の4者(社)。サンキタ通りとサンキタ広場の再整備は、神戸三宮駅東側に建つ「神戸三宮阪急ビル」の建て替えや、高架下店舗群のリニューアルにあわせて計画された。

兵庫県を代表する繁華街・三宮は阪急のほか、JR、阪神、神戸市営地下鉄山手線、同海岸線、神戸新交通(新交通システムの神戸ポートライナー)の鉄道5社局の6駅が集積する交通の重要ポイント。神戸市は駅と周辺を一体的につなぎ、回遊性の高い街づくりに力を入れる。

神戸市と阪急が共同で取り組んだサンキタ通り・広場の再整備では、歩道と車道の段差をなくして歩きやすい空間を演出。クルマは、終日通行禁止を原則に(6~17時の日中時間帯は納品トラックだけが通行可。17時以降は全車通行止め)、歩行者優先の街づくりを実践した。

阪急のプロジェクトでは、2021年4月に開業した神戸三宮阪急ビルが三宮エリアのランドマークとして、地域のにぎわいを象徴する。

土木学会デザイン賞で審査を担当した、都市デザイナーの泉英明さん(ハートビートプラン代表取締役)は、「阪急や神戸市が取り組む地域再整備は、エキマチづくりや歩行者優先の空間形成で、今後のモデルになるリーディングプロジェクトだ」と評価した。

記事:上里夏生

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