ワインブドウの新ビールいかが 南砺の醸造所・ナット・ブリュー ワイナリー2社と連携

ブドウの果皮を使い醸造した「MAD PASSIONIST」(右)と「WINEY WINEY」=南砺市山見

  ●フルーティーコクある風味

 南砺市山見のクラフトビール製造・販売の「ナット・ブリュー」は、ワイナリー・トレボー(同市)、やまふじぶどう園(富山市)とそれぞれ連携し、ワイン用ブドウの搾りかす(果皮)を麦汁に浸して発酵させたビールを商品化した。果皮にある酵母を使うことにより、フルーティーな香りを実現し、コクのある風味に仕上がった。県内で初となるコラボビールとして発信する。

 トレボーと協力したビールは「MAD PASSIONIST(マッドパッショニスト)」の名称で、白ワイン用品種のゲヴェルツトラミネールとリースリングの搾りかすを使い、麦汁に浸して発酵。トロピカルフルーツのような香りとすっきりとした味わいを出した。

 やまふじぶどう園と連携したビールは「WINEY WINEY(ワイニーワイニー)」と名付け、赤ワイン用品種のメルローの搾りかすを使い、メルローの独特の酸味、苦みと大麦の甘みが調和したこくのあるビールとなった。

 ナット・ブリューの醸造責任者の望月俊祐(しゅんすけ)さん(31)は、山梨県甲州市のワイナリーで経験を積んだ。ワインには「ピケット」を呼ばれるワイン用ブドウの搾りかすを水に浸し、糖類を加えて発酵させた酒があり、ビールに応用した。ラベルにはそれぞれのワイナリーの名前を入れた。

 両ビールとも330ミリリットル、770円。各500本を製造して11月から販売を開始して人気を集めており、残り100本程度となっている。妻が南砺市出身で、同市の干し柿や香木「クロモジ」など地元産の副原料にこだわったビールを醸造する望月さんは「地元のワイナリーの紹介に貢献できたらうれしい」と話した。

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