長崎市で初の国際賢人会議 12月8、9日の日程概要を発表 NPT会議へ議論加速化

国際賢人会議の主な日程

 核兵器のない世界の実現を目指し、政府が8、9日に初めて長崎県長崎市で開く「国際賢人会議」第3回会合について、外務省は4日、日程概要を明らかにした。米ロなど核保有国と非保有国双方から参加する委員が長崎原爆資料館などを視察し、被爆者らと対話する。2026年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向け論議を加速化させる方針。岸田文雄首相も出席する方向で調整している。
 8日午前は、委員らが平和公園で献花し、原爆資料館を視察する。被爆者の証言を聴講した後、被爆者や若者を含む市民社会と意見交換。被爆校舎「旧城山国民学校校舎」も訪問する。同日午後と9日午前は、出島メッセ長崎を会場とする計五つのセッションに参加。午後から閉会セッションなどに臨む。
 岸田首相が会議のどのタイミングで出席するかは、現時点で未定。首相は11月29日の参院予算委員会で、秋野公造議員(公明)の質問に対し「被爆者の方々との接点等についても(会議に)出席する場合は調整したい」と述べていた。
 委員は白石隆座長(熊本県立大理事長)をはじめ、米国のローズ・ゴッテメラー元国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)、ロシアのアントン・フロプコフ・エネルギー安全保障研究センター長ら英国、フランス、中国などを含む15人(うち2人はオンライン参加で調整中)。ほかに地元長崎の識者として朝長万左男・日赤長崎原爆病院名誉院長や政治リーダーとして英国のブラウン元国防相らも参加予定。

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