医療費“無償化”拡充、さいたま市が準備へ 「子ども医療費」中3まで助成対象、今後は高3まで広げる方針 埼玉県も助成拡充の方針示すも、さいたま市は対象外…対象とするよう県に要望中

さいたま市役所=埼玉県さいたま市浦和区常盤

 埼玉県さいたま市の清水勇人市長は4日の市議会12月定例会の一般質問で、子ども医療費の助成対象について、「2024年度からの高校生までの医療費無償化の拡充を前向きに検討、準備を進めていきたい」と述べ、市の独自事業として、高校3年までの医療費無償化を実施する方針を示した。上三信彰市議(公明)の質問への答弁。

 市子育て支援課によると、政令指定都市・特別区で高校3年までの医療費無償化を実施しているのは、1都3県で東京都のみ。横浜市、川崎市は中学3年までが対象で、千葉市と相模原市が24年度から高校3年まで拡充する予定。

 さいたま市は独自事業として、中学3年までの医療費を助成。23年度一般会計当初予算で、約51億5千万円を計上している。市内の高校生は約3万6千人で、高校3年まで助成を拡充すると、試算では約11億円に上る。

 清水市長は少子化対策が喫緊の課題とした上で、「子どもが安心して医療を受けられる環境を整備することは、市の子育て政策全体の根幹ともいえる重要な課題。一日でも早く実現すべきと考えている」と答弁。子ども未来局と財政局に具体的な検討を指示したと明らかにし、「子育てが楽しいさいたま市の実現を目指し、私自ら先頭に立って、子育て施策に全力で取り組んでいく」と述べた。

 一方、大野元裕知事は9月28日、県議会9月定例会で、未就学児までとしている県の子ども医療費助成の対象について、24年度から通院は小学3年まで、入院は中学3年まで拡充する方針を示した。政令指定都市のさいたま市は県の補助対象外となっている。東京都、神奈川県、千葉県は政令指定都市も対象で、市は助成対象とするよう県に要望している。

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