リニア論争の新たな火種 静岡県の川勝平太知事が環境省を電撃訪問「自然を守ることは環境行政の使命」見解を確認か【速報】

リニア問題を巡り、静岡県の川勝平太知事が12月5日、環境省を電撃訪問しました。南アルプスの自然保護について、国のリニア有識者会議に参加している環境省がどのような見解を持っているかを確認しているとみられます。

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川勝知事は、東京・霞が関の環境省に5日午後6時すぎ、姿を現しました。関係者によりますと前日までに正式なアポイントメントは出しておらず、5日になって訪問を急きょ、調整したということです。

環境省は、リニア中央新幹線静岡工区のトンネル工事に伴う、南アルプスの環境への影響を議論する国の有識者会議で、オブザーバーとして参加しています。

川勝知事は、環境省が自然保護について、どのような見解を持っているかを確認するために訪れたもようです。

11月の記者会見でも、環境省の見解を聞きたいと話していました。

<川勝平太知事>
「環境大臣はオブザーバーとしていらっしゃるだけですので、全く見解がわからない。しかも、南アルプスの自然を守ることは環境行政の使命であると大臣意見が出ている。これで守れますか?ということは聞くに値するのではないでしょうか」

リニアの有識者会議は11月、報告書をまとめることで合意しましたが、川勝知事は「十分な議論がされないまま、報告書がまとまるのは非常に残念だ」と述べていました。

リニア工事をめぐっては、大きな問題の一つとされていた「大井川の水が減る問題」について、田代ダムの取水を抑えることで静岡県側の水量を確保する案を県は11月29日、「了解する」とJR東海に回答しました。

水問題については解決の道筋が見えていますが、川勝知事は、環境問題についての懸念を強く示していて、今回の訪問が新たな論争の火種になることも予想されます。

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