【香港】9月の台風と豪雨、保険金請求額19億ドル[金融]

香港の保険業監督機関、保険業監管局(保監局、IA)は4日、9月に上陸した台風9号(アジア名:サオラー)と記録的豪雨について、損害保険会社への保険金請求額が同月末時点で19億HKドル(約358億円)に上ったと発表した。

内訳は台風9号が3億6,100万HKドル、豪雨が15億4,000万HKドル。項目別では財産損害が16億3,810万HKドルと、全体の約86%を占めた。自動車損害は1億7,600万HKドル、旅行損害は2,570万HKドルだった。

保監局は「極端な気象現象の発生頻度と異常の度合いは急激に高まっており、経済やコミュニティーにもたらす破壊的な影響を過小評価すべきではない。保険は企業や個人のセーフティーネットとして重要な役割を担っている」と強調した。

台風9号の接近を受け、天文台(気象台)は9月1日夜に最高レベルの台風警報「シグナル10」を5年ぶりに発令。同月7日夜から8日にかけては観測史上最大雨量の豪雨が発生し、天文台が最高レベルの暴雨警報「黒色」を約2年ぶりに発令したほか、政府は気象災害の危険が高いと判断した場合に市民の外出を控えさせる「極端な状況」宣言を制度導入後初めて行った。

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