氷見の酒、海中熟成 大宮と連携、宇波沖に632本

酒を海に沈める漁師=氷見市宇波沖

  ●来年2月の交流イベントでお披露目

 氷見市とさいたま市大宮地区の商工業者でつくる「氷見・大宮海中熟成絆酒」実行委員会は5日、氷見市宇波沖の海底に、それぞれの地酒計632本を沈めた。海中熟成した酒を両市の交流に活用するプロジェクトで、日本酒や焼酎、梅酒、ワインを用意。来年2月に氷見で開催する大宮との交流イベントで約100本を引き揚げ、お披露目する。

 氷見市と大宮地区は約10年前から商工業者らが交流しており、両者の絆をより深めようと、今夏から海中熟成酒の企画が始動した。

 酒は氷見から髙澤酒造場の日本酒「曙」100本、速川活性化協議会の焼酎「臼が峰」230本、氷見稲積梅の梅酒230本、セイズファームのワイン12本を準備。大宮からは小山本家酒造の日本酒「金紋世界鷹」60本を用意した。

 同日は宇波浦漁業組合の漁師の協力の下、ロープでつるした酒を海底に沈め、定置網のブイに固定した。2月のイベントに使う3カ月熟成の約100本は水深15メートル地点に沈め、残りの約530本は深さ約35メートルの地点で1年間熟成する。

 実行委によると、酒を海中に沈めると、低温や波に揺られる効果で熟成が約4倍早まり、角がとれたまろやかな口当たりになる見込みという。来年2月のイベントでは、大宮の関係者を氷見に招いて通常の酒と熟成した酒を飲み比べてもらうほか、寒ブリなどを味わってもらう。

 大宮側の事務局長今井良治さん(46)は「海なし県なので、氷見との連携のおかげで海中熟成の企画ができた。味がどのように深まるか楽しみ」と期待した。氷見側の事務局長小清水勝則さん(46)は「プロジェクトが、より両者の絆や関係人口が広がるきっかけになればうれしい」と話した。

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