「蘇民祭」来年2月で千年の歴史に幕 岩手・奥州、担い手不足で

荒々しい蘇民袋争奪戦を繰り広げる男衆=2020年2月1日、奥州市水沢・黒石寺

 奥州市水沢黒石町の黒石寺(藤波大吾住職)は5日、千年以上の歴史を持つとされる奇祭「蘇民祭」を2024年2月の開催を最後に終了すると発表した。下帯姿の男衆が無病息災や豊作を祈って蘇民袋を奪い合う勇壮な祭りとして全国に知られていたが、関係者の高齢化や担い手不足が深刻化。「これ以上の継続は困難」と判断した。

 藤波住職(41)が市内で記者会見し、来年2月17日の開催で同祭を終えることを明らかにした。同寺や地元関係者が準備と運営を担ってきたが、主要メンバーが70~80代と高齢化。柴燈木登(ひたきのぼり)で井桁に組む木材の準備など、体力を使う作業が難しくなったことなどを理由に挙げた。

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