「電磁波攻撃をとめろ」と一方的に言いがかり 新居浜一家3人殺害事件 初公判 被告の男(56)が起訴内容を認めるも、心神喪失による無罪を主張

愛媛県新居浜市で一家3人をナイフで殺害したとして、殺人と銃刀法違反の罪に問われている男の初公判が6日、松山地裁で開かれ被告は起訴内容を認めました。

起訴状などによりますと、住所不定で無職の河野智被告(56)は2021年10月、新居浜市垣生の住宅で岩田友義さん(当時80)と妻のアイ子(当時80)さん、元同僚で三男の健一さん(当時51)の胸などをナイフで突き刺し、殺害したということです。

松山地裁で開かれた初公判で、河野被告は起訴内容を認めた上で、弁護人が心神喪失による無罪を主張しました。

続く検察側の冒頭陳述で「河野被告は組織から電磁波攻撃を受けたと思い込み、一方的に犯行に及んだ」ただ「自らの行動は理解できた」と指摘。

善悪の判断が全くつかなかったわけでは無い心神耗弱状態だったとして、罪に問えると主張しました。

被告は、警察に逮捕された当時から犯行を認める供述をしていましたが、「あいつらが悪い」とも供述し一方的に恨みを募らせたとみられる、不可解な動機を語っていたといいます。

また、殺害された健一さんは事件前、警察に「河野被告に電磁波攻撃をとめろと言われる」などと、言いがかりを付けられていることを相談していました。

河野被告の知人によると、4年ほど前から異変が生じ「誰かに悪口を言われている」などと、電話をしてくるようになったといいます。

さらに、河野被告は事件当時、車上生活をしていて、その車で、現場まで乗り付けたとみられています。

車上生活する様子を目撃していた知人は「事件直前はいつもと違う様子だった」と話していました。

判決は、今月18日に言い渡される予定です。

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