財政長官、来年も赤字は避けられず

陳茂波・財政長官は、今年の香港の全体的な経済・資産市場の実績は予想よりも低迷し、土地売却や印紙税などの関連政府歳入が影響を受けて予算を下回ったことを明らかにした。12月5日付香港各紙によると、陳長官は今財政年度の総合赤字は今年2月に発表した財政予算案の544億ドルを上回り、1000億ドル以上とも見積もられており、来年度のさらなる赤字は「避けられない」可能性があると述べた。陳長官は4日、立法会財政委員会の会議に出席し、香港の経済状況について報告し、「新型コロナ対策の支出により政府全体の赤字が増加したが、新型コロナの終息と関連支出は大幅に減少している」と述べた。しかし政府は公的資金の最適な使い方を慎重に検討する必要があり、賢明な財政運営と収入の範囲内での支出を心がけながら、政府支出の増加を厳しく抑制し、収入を増やす方法を模索して総合的な収入と支出のバランスを可能な限り維持するという。

陳長官は、最も重要なことは経済サイクル内で中期的な観点から可能な限り総合的な収支バランスを維持し、サイクル内で赤字を計上する年もあれば黒字を計上する年もあると述べた。同時に、政府は関連プロセスにおいて堅実な財政力を有効に活用し、一部の適切なインフラプロジェクトへの資金調達を支援する予定である。政府の目標は財政赤字を対GDP比3~4%以下に抑制し、比較的健全な借入比率を維持することであり、その結果、政府財政の全体的な安定には何の懸念も生じないと指摘した。また現在の経済環境は市民や企業の税負担を大幅に増やすのには適していないと改めて述べた。陳長官は第3四半期の香港経済は前年同期比4.1%成長したが、通年予想は3.2%に下方修正し、来年の香港経済は多くの課題と不確実な状況に直面するとの見方を示した。

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