落下した隕石、地球の大気で変色 小惑星りゅうぐう試料と比べ判明

りゅうぐうの試料(左)と、1864年にフランスに落下した隕石。りゅうぐうの試料の方が色が暗い(東北大などの研究チーム提供)

 地球に落下した隕石は、大気中の水や酸素に触れて明るく変色していることが分かったと、東北大などのチームが6日、発表した。探査機はやぶさ2が持ち帰った小惑星りゅうぐうの試料と、約150年前に地球に落ちた隕石を比べて明らかにした。

 小惑星を構成する物質は太陽系初期の情報を含み、歴史を解明する手がかりになると期待される。また、隕石のほとんどは小惑星の破片だ。りゅうぐうの試料も隕石と成分が似ているが、見た目は隕石よりも暗い。その理由は謎だった。

 チームは、りゅうぐうの試料と似た物質でできている、1864年にフランスに落下した隕石を使って実験。りゅうぐうの試料を大気に触れないようにした状態で、表面で反射する光の波長を分析した。次に、真空中に置いた隕石をさまざまな温度で加熱した場合の光の波長を調べた。

 その結果、隕石を300度で加熱した場合に、構成物質はほぼ変わらずに、見た目がりゅうぐうの試料と同程度になった。鉄の酸化や水の吸着が起きていたのが、加熱により酸素や水が取り除かれたことが理由とみられる。

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