誹謗中傷、暴言、暴力…イングランドのサッカー審判「2年以内に辞める率が50%」

ラグビーで使われているシンビン・ルール(一時的退場)が試験導入されることが決まったサッカー界。

その退場の対象となるものの一つが審判への抗議や暴言であり、イングランドの草の根レベルではすでに導入され、かなり高評価を受けているという。

ただ、審判は選手からだけではなく観客やファンからも激しいバッシングを受ける立場であり、インターネット上の誹謗中傷のみならず、ピッチ上でも危険に晒されている。

今年2月、40年以上レフェリーを務めてきたイングランド人審判のケニー・クラーク氏は『BBC』で以下のように話していた。

ケニー・クラーク

「悲しいことだが、イングランドで話題になるほどの虐待に審判が直面しなければならないことは事実である。

アマチュアの試合では更に厳しいものになる。警備員や警察官がいるプロの試合と同じレベルの保護がないからだ。

彼らは自力で会場にやってくる。そして保護もいない。ピッチのラインに沿って集まる指導者や保護者、観客のなすがままになってしまう。

イングランドでは、審判を2年以内に辞める確率がおよそ50%だ。この問題に対処し、サッカーの試合に関わる人々の考え方を変えなければならない。さもなくば状況は悪化するばかりだ。

試合を運営する役員に対しての不正行為へのペナルティに関しては、もっと厳格になる必要があると思うよ。

審判協会のポール・フィールド会長は『この国ではいつか審判が命を落とすことになるだろう。数年前にオランダで起きたような事件が』と言っていた。ゾッとした」

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なお、イングランドではこれらの問題に対処するため、シンビン・ルールの他に審判がボディカメラを装着するという試みも始められているという。

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