大学生がSNSで発信! 若い感性で呉市の商店街を元気に

広島県呉市の商店街を盛り上げようと、広島の大学生がSNSによる情報発信に取り組んでいます。

商店街理事長
「呉市も高齢化で人口も減ってきています」

商店街店主(いとう生花店 伊藤裕紀 さん)
「学生さん、若い人がこうやって関わりを持って商店街に活気が出る」

深掘りニュースDIGは、「大学生がSNSで発信! 若者の感性で商店街を元気に」

呉中通商店街、南口にある中国堂書店です。ことし、創業100年を迎えました。

カメラマン担当の学生
「カメラ目線で視聴者のところに向かってお願いします」

中国堂書店 湊允秀 さん
「商店街の中にある小さな本屋なんですが、お客さまにとって喜んでいただけるような素敵な本の出会いを手助けできたらなと思っております」

撮影は、大学のキャラクター「アビー教授」がインタビューする設定です。

撮影しているのは、県立広島大学 地域創生学部の3年生の 山園渚 さん、木本遥 さん、古森ふき さん。3人は 粟島浩二 教授のゼミでマーケティングを学んでいます。

中国堂書店 湊允秀 さん
「情報発信を自分たちだけでやるにはやっぱり限界があるので、こういう若い世代の力を借りてより広く広めていただけるのは、とても助かると思います。(取材を受けてみてどうでしたか?)楽しかったです」

「中通商店街では唯一の花屋さんです」―。学生たちに店舗を紹介しているのは、商店街の理事長です。

呉市中通商店街 小松慎一 理事長
「店主さんが高齢化し、70代ぐらいの方がお店をやっていらっしゃることが多いんですけど、そういう方が何か発信しようと思っても、今、SNSであるとかそういったものに不慣れなんですね」

県立広島大学と商店街が交流サイト・SNSを共同で運営しています。去年11月から店舗情報をインスタグラムやユーチューブなどで発信しています。

呉市中通商店街 小松慎一 理事長
「人を中心に取材していただいただくので、お店の商品もそうなんですけれど、お店にこんな方がいらっしゃるっていうのを紹介していただけて、とても感謝してます」

呉中通商店街、通称「れんがどおり」は、呉市中心部のレンガが敷き詰められた、全長420mの商店街です。

1990年には全国初の開閉式ドーム型アーケードが設置されました。

製鉄の街、造船の街として栄えてきた呉市は人口減が続き、現在は約20万人。れんがどおりも1980年代には150店舗が営業していましたが、現在は70店舗余り。半数に減ったそうです。通りには空き店舗も目立ちます。

3人は、去年11月にSNSで紹介した店舗を訪ねました。

青果店 VeNesty 井上智敬 代表
「おかげさまで、Xに投稿してくださった分で、リツイートしていただいたおかげで『それ、見たよ』って言って来てくださっている方もいらっしゃって、お客さんにつながっているので助かっています」

県立広島大学の学生たち
「(反響は?)初めて聞きました。うれしかったです、単純にうれしかったです。よりモチベーションが上がりました」

学生たちの取り組みは着実に効果を上げているようです。

県立広島大学 3年 木本遥 差ん
「呉の人はユニークな方が多いイメージがある」

県立広島大学 3年 古森ふき さん
「みんなの憩いの場というか、悩み事を聞いてくれる」

県立広島大学 3年 山園渚 さん
「共通点というか、レンガ通りや呉に対しての思いがある人たちがたくさんいる」

この日、最後に訪れたのは、今月13日に再オープンする飲食店です。

天武蔵 木田詔夫 社長
「自分も再オープンにかけていろいろな方々にご協力をいただいて、ここまでやってまいりました」

創業56年、とんかつの「天武蔵」は去年8月の火災で店舗が全焼しました。その後、建て直し工事を進め、来週の再オープンにこぎつけました。

こちらのカツ重は、卵でとじるのではなく、あんかけのオリジナルメニューだそうです。

建て替えにあたり内装にもこだわりました。

天武蔵 木田詔夫 社長
「自分もここで営業していくのに、去年の火事の後から自分の日常が大きく変わってしまったので、今まで培ってきた分と今からの分を足して精進していきたいという気持ちがあります」

3人は、天武蔵の再オープンまでにユーチューブなどSNSで情報発信したいと意気込みます。

最後に、地元出身の古森さんに「れんがどおり」への思いを聞きました。

県立広島大学 3年 古森ふき さん(呉市広出身)
「子どもの頃からよく来ていたので、その時よりも活気は少ないなと思っていて、でも最近ではイベントとかも確かにいろいろやっていらっしゃるので、広島の本通ぐらいの活気を取り戻せたらいいなと思います」

◇ ◇ ◇

― 今回、取材した学生は3人ですが、「れんがどおり」のSNS発信に取り組んでいる県立広島大学の学生は7人で、「商店街と人をつなぐ窓口になりたい」というコンセプトで取り組んでいます。

X(旧ツイッター)、インスタグラム、ユーチューブの担当者がいて、フォロワー数やコンセプトなどそれぞれで目標を立てて活動しているということです。

県立広島大学では今後も活動は続けていくそうです、商店街もこうした若者の取り組みが活性化につながればと期待していらっしゃるということです。

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