京アニ公判、青葉被告に死刑求刑 検察側は完全責任能力を指摘

青葉真司被告

 36人が死亡、32人が重軽傷を負った2019年7月の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人罪などに問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の第22回公判が7日、京都地裁(増田啓祐裁判長)で開かれた。検察側は最終論告で、死刑を求刑した。

 この日午後には、弁護側の最終弁論、青葉被告の最終意見陳述があり、結審する見通し。

 最大の争点は刑事責任能力。これまでの公判で、被告は京アニのコンクールに応募し落選した自身の小説について、「(京アニに)アイデアを盗用された」と動機を説明。落選や盗用は「闇の人物」が指示したなどと訴えていた。

 検察側は完全責任能力があったとし「筋違いの恨みによる復讐(ふくしゅう)で、類例なき凄惨(せいさん)な大量放火殺人事件だ」と指摘。弁護側は事件当時、心神喪失や心神耗弱の状態だったとして無罪や刑の減軽を求めている。

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