羽生結弦 悲願なのに…仙台新リンク発表会見に登場しなかった“真相”

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「11月30日、味の素のアスリート支援プロジェクト20周年記念イベントがあり、羽生さんのサポート担当の社員や荒川静香さんらが登壇していました。そんななか、羽生さんはビデオでの出演。

10年以上味の素にお世話になっていますし、当初は現地に足を運ぶつもりだったのではないでしょうか」(スポーツ紙記者)

結婚からわずか105日での電撃離婚を発表した羽生結弦(28)。地元・仙台でも大きな波紋を呼んでいた。

「結婚に対する反応は賛否半々だった気がしますね。離婚は衝撃的でしたが、仙台市でも夫婦がそろった姿を見た人はいなかったので、少し不思議です。どちらにしろ私たちとしては、羽生くんが仙台にいてくれるだけでうれしいですが……」(仙台市に住む女性)

世間の注目が集まり、親族が取材に答えることも増えた一方、羽生自身は活動を控えているようだ。フィギュアスケート関係者は言う。

「現在、全国3都市を巡るアイスショーツアー『RE_PRAY』の真っ最中ですが、実は11月5日の埼玉公演以降、年内は丸々お休みなんです。今のところ表舞台に立つ予定はひとつもありません。

昨年のアイスショー『プロローグ』では11月に横浜、12月に八戸と連続で公演していたので、今回も難なくできたはず。この休みは意図的に設けたのだと思います」

年末まで約56日の冬休み。本来なら羽生は楽しいスケジュールを詰め込んでいたのだろう。

「長期休みのうちに、結婚式や海外でのハネムーンも考えていたかもしれません。’19年のクリスマスは、母方の祖父母と3人で温泉旅館で過ごしていましたし、今年も顔合わせを兼ねたパーティを予定していたことでしょう。

さらに12月7日には、羽生さんの29歳の誕生日もあります。結婚生活が続いていれば、仕事を忘れて、元妻・A子さんも含め家族に祝ってもらう一日になっていたはずです」(前出・スポーツ紙記者)

だが、離婚で計画は白紙にーー。急きょ生じた空白期間を、羽生は抜け殻のように過ごしているそうだ。

「味の素のイベントをはじめとして、公の場に直接現れない日が続いています。気力が落ちているであろう今は、その回復に努めているのかもしれません」(前出・スポーツ紙記者)

実際、離婚がきっかけで食欲不振にも陥っているという。羽生の祖母は、メディアの取材にこう語っている。

《娘(※羽生の母)によれば、ゆづは『もう精神的にまいっていて、ご飯も食べないで…』ということでした》(「現代ビジネス」、11月22日配信)

心身ともに疲れ果てた羽生。昔から望んでいた、ある計画の始動にも体がついていかないようだ。

11月28日、多目的施設「ゼビオアリーナ仙台」内にスケートリンクが開設されることが発表された。これは羽生の夢の1つだ。練習拠点である「アイスリンク仙台」以外に、市内に通年型のリンクがなかったことに、羽生は何度も苦言を呈してきた。

《世界のトップを目指すということに関していえば、仙台だけじゃなく、県内、東北全体的にフィギュアスケートを本気でやって世界のトップを狙える設備は整っていない》(’18年4月22日、平昌五輪金メダル祝賀パレード後の会見)

■念願の“ゆづリンク”にも足を運べず…

長年アイスリンク建設を訴え続けてきた、仙台市議会の佐藤正昭議員はこう語る。

「もともと市内では建設に慎重な意見も多かったのですが、世界各地から問い合わせが多数来たのです。役所がここ1年半ほど、ゼビオ側と粘り強く交渉してくれたようです。私の提案から結実をすることになって本当にうれしいし、いい形の着地をしたなと思います。

プロを目指す人たちの練習リンクということで、市をあげて、スケートを盛り上げていくイメージです。羽生さんが仙台に残れる土壌をしっかり作れてよかった。

でも今まで苦労してきた『アイスリンク仙台』にも今後心を砕いていくべきだと思っています」

前出のフィギュアスケート関係者は言う。

「新リンク会見の2日後、アイスリンク仙台は来年4月から2カ月間の改修工事をすると発表しました。文書には『羽生結弦様より頂戴いたしました多額の寄付金を使わせて頂く』という一文があります。羽生さんは両方のリンクを大切に守っていくのでしょう」

念願を実現した羽生だが、発表会見には姿を見せず、心なしか痩せた顔でのビデオ出演にとどまった。

「“ゆづリンク”となると、市が羽生さん個人のためにお金を使って施設を作るように見えてしまう。それはよくないし、本人も望まないので、あくまで公共施設として、PRのために羽生さんを強く押し出さず、動画という形にまとまりました」(前出・佐藤正昭議員)

今回、離婚直後の自分が目立って迷惑をかけてはいけないと思ったのだろうか。羽生が一時利用していた、テクノルアイスパーク八戸の坂本久直館長もこう話す。

「離婚発表の前にアイスショーをやっていましたよね。つらい思いがあっても、お客さんの前ではプロに徹していて、大変立派でした。

今回のビデオメッセージも同じです。本当は心が沈んでいたんでしょうけれど、その状況でも出演を引き受けたのはすごいです。それだけスケート業界の発展を考えているのですね」

虚脱状態のなか、力を振り絞って動いている羽生。完全復帰はいつになるのかーー。

「次に羽生さんが人前に立つのは来年1月、佐賀での公演です。これがおそらく、離婚発表後初めての公の場になるかと思われます。困難を何度も乗り越えてきた彼なら、調子を整えて、見事なショーを見せてくれるはずです」(前出・フィギュアスケート関係者)

新年は、心機一転した羽生の晴れやかな滑り出しに期待したい。

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