【インドネシア】来年は緩やかなルピア高相場に=みずほ会[金融]

みずほ会で講演した元ラグビー日本代表の大畑大介氏=6日、ジャカルタ特別州(NNA撮影)

インドネシアみずほ銀行は6日、首都ジャカルタのホテルで開催した「みずほ会」で、2024年の為替相場について緩やかな米ドル安ルピア高になるとの見通しを示した。同年末時点で1米ドル=1万5,300ルピア(約144円)まで上昇すると予測した。

為替セミナーに登壇したみずほ銀行のアジア・オセアニア資金部調査役、綱島正侑記氏は、インドネシア中央銀行が今年10月、国内インフレ率が低下傾向にあり目標レンジを下回る中でサプライズ利上げをした背景には、大幅に進行していたルピア安があったと説明。利上げ後も米国のタカ派なスタンスによりルピア安は止まらず、10月末にかけて1万5,900ルピア台半ばまで進行したが、11月以降は1万5,500ルピア程度まで戻してきたと述べた。現状の為替水準が維持されれば、追加利上げの可能性は低いとした。

一方、国内消費が落ち着いている中で利上げをしたことにより、国内景気への悪影響は今後出てくる可能性があると懸念した。ただ中銀はすでに政府と対応するとコメントしており、今後何かしらの手だてで対応が見られるとした。

経常収支については、12年ごろから新型コロナウイルスの感染拡大前までは経常赤字が続いていたが、20年から石炭などの資源価格上昇に伴う貿易黒字の拡大といった特殊要因によって経常黒字に転じたと説明。しかし、資源価格の落ち着きなどから23年第2四半期(4~6月)には再び経常赤字に転落。この先、経常赤字が再び常態化するとし、通貨需給の面からルピア売り圧力は高まると予想した。

また、金融政策については、インドネシアは投資魅力を作り出す上で米国との金利差を拡大させるため、利下げペースは米国と比較して緩やかなものになるとした。来年4~6月に利下げを開始すると予測した。

来年2月の大統領選挙については為替市場への影響は限定的との見通しを示した。

みずほ会の後半では、元ラグビー日本代表の大畑大介氏が講演した。学生時代から、日本代表のキャプテン、ワールドカップ(W杯)出場などのプロ時代まで自身の経験を伝えながら、ラグビー人生を通して得た学びについて語った。

同会には約360人が出席した。

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