犬が人間同士の喧嘩を止めるのはなぜ?人を叩くフリをすると怒る理由に「なんか感動した」「尊い」

犬は人間同士の喧嘩が嫌い!叩くフリでも怒る理由とは

たとえば家族など、人間同士が喧嘩をしていると愛犬が止めに入ったりすることはありませんか。しかも、ふざけて誰かを叩くフリをしただけで怒って止めにはいるような経験をしたこともあるのではないでしょうか。

そこで今回は、犬が人間同士の喧嘩を止めに入ったり、人を叩くフリをすると怒る理由について解説します。

家族は仲良くすべきだと思っているから

犬は群れで暮らす習性があり、秩序を大事にする動物です。野生時代には仲間割れしてしまうと、そこへ外敵がやってきて襲われる、などということがあったのかもしれません。

現代の犬にもその習性は引き継がれ、家族は仲良くするべきと思っています。そのため、家族が喧嘩をしたり険悪な雰囲気になったりすると、本能的に危機だと感じるのです。

犬も嫌な気分になるから

犬は相手の表情や感情を読み取るのがとても上手い動物です。聴力も優れているので大きな音が苦手な犬は多いです。

一緒に過ごしている空間の中で喧嘩が発生していると、犬はその雰囲気を読み取ってストレスになります。叩く音や怒鳴り声などは人間より大きく聞こえるので、犬は驚いてしまいます。

また、犬は人間より体高が低いので、上から降ってくる手が怖く感じます。そのため、叩かれる人を見ると、より可哀そうに感じるのでしょう。

犬が喧嘩を止める際に見せる行動

犬は、相手に落ち着いてほしいとき次のような行動を見せることがあります。これらは「カーミングシグナル」と呼ばれます。喧嘩の最中に愛犬がそのような仕草を見せたら、一旦冷静になるべきかもしれません。

相手の顔を舐める

犬は甘えるときに相手の顔を舐めることがあり、これは子犬が母犬に食事をねだっていたときの名残と言われています。

しかし甘え以外にも相手への信頼や服従を示す意味があります。怒っている相手の顔を舐めたら、『あなたを信じているから落ち着いて』とサインを送っていることになります。

あくびをする

人間の場合あくびと言えば眠いときややる気がないときに出すものですが、犬は少し違います。ストレスや緊張を和らげるときにするものです。

怒っている相手に向かってあくびをしていたら、犬はその人に対して「落ち着いて」とサインを送っているのです。

座る・伏せる

犬が近くにやってきて座る、または伏せるというのも「落ち着いて」というサインです。ごはんが欲しいなどの要求があるとき、やけに飼い主の視界に入ってきて存在をアピールしますね。

犬は地面に体がしっかりついている状態は精神的に安定します。きちんと座る・伏せるという行動は、自分を落ち着けつつ、相手にも落ち着いてほしい、というサインなのです。

背中を見せる

背中は死角になる部位なので、犬は気を許した相手でないと背中を見せることはありません。背中を見せるというのは自分に敵意がないと示すときです。

つまり「自分は落ち着いているからあなたも落ち着いて」というサインなのです。

おもちゃを持ってくる

犬は元気がない相手におもちゃを持ってくることがあります。自分の大切なものを差し出して「これで遊んで元気出して」と励ましているようですね。

喧嘩の最中におもちゃを持ってきたら、「これで遊んで冷静になって」という犬なりのサインです。人間には意味のない行動に見えますが、犬はなんとかしようと必死なので応えてあげましょう。

まとめ

犬は人間の言葉を完全には理解できません。しかし、相手の感情や雰囲気には敏感で、生活している空間で喧嘩が絶えないと犬もストレスを感じるため、結果として問題行動に繋がります。

つまり、良い犬を育てるには、飼い主たちも仲良くしなければいけません。無駄吠えや破壊などの問題行動は犬にダメと教えなくてはいけませんが、飼い主自身にも問題がないか見直す必要があります。

愛犬に落ち着きがなくて困っている人は、自分の生活にも問題がないか考えてみてください。犬も人間もストレスの少ない生活を送って幸せに暮らしましょう。

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