沖縄市の学童クラブ、児童数と職員数を虚偽報告 補助金停止で1カ所を閉園 子ども66人に影響 過去に賃金の未払いも

 沖縄市の放課後児童クラブ(学童)2園を運営する一般社団法人が虚偽報告をしていたとして、沖縄市が2023年度の補助金を交付しない方針であることが分かった。園側は資金不足に陥り、1園を9月に閉め、1園で12月から利用料を引き上げた。計66人の児童に影響が出ている。(中部報道部・屋宜菜々子)

 市によると、ことし1月末に関係者から相談があり、調査を始めた。22年度に、勤務していない職員1人分、利用していない児童8人分の虚偽報告と、職員の配置基準を満たさない日があったと判断した。

 市は11月1日、園の代表に対して「放課後児童健全育成事業補助金」の23年度分の不交付と、22年度分約2300万円の一部返還請求の方針を口頭で伝えた。24年度分も交付しない。近く正式に決定する。代表によると、23年度分も22年度と同額程度を見込んでいた。

 代表は本紙取材に対し、問題視された児童8人は校区外在住で、職員が車で送迎していたと説明。学校近くの代表自宅の一角を園に行くまでの「待機場所」としていた。

 コロナ禍の時期に送迎車や園の中で密集するのを避けるため、園に行かずにそのまま職員と待機場所で過ごすことが多くなったという。「子どもにとっての最善を考えた。不正や虚偽報告の認識はなかった」とした。

 職員の配置に関しても「満たしていると思っていたが、市の指摘で土曜日は基準を満たしていなかったことを知った」と述べた。その上で「市は調査や返還請求の前に、指導してほしかった」と話した。

 法人は23年度、補助金なしで2園を運営してきた。9月に閉めた園の児童約30人は残る1園で一時的に受け入れてきた。利用料引き上げなどで、2園の児童のうち約半数が12月からは近隣の別の園に移った。残る1園は「保護者の希望もある」(代表)と、今後も運営を続ける方針。

 市は20、21年度の補助金交付に関しても調査を進めている。「子どもの環境を確保した上で、しっかりと追及する」と述べた。

■過去に賃金未払いも

 市が補助金不交付の方針を決めた沖縄市の放課後児童クラブ(学童)では、過去に職員1人に対して、賃金の一部未払いがあった。

 園の代表によると、4月に職員から請求があり、一部手当ての未払いが発覚した。5月に約18万円を支払ったという。代表は「意図的ではなく、事務手続きのミス」と説明した。

沖縄市が補助金の不交付方針を決めた放課後児童クラブ=7日、同市

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