弘南鉄道大鰐線が全線再開

全線で運行が再開した弘南鉄道大鰐線の始発電車から降りる利用者たち=8日午前7時半ごろ、大鰐駅

 レール補修などのために一部で運休を続けていた弘南鉄道大鰐線の大鰐-津軽大沢間の運行が8日、再開し、約2カ月半ぶりに弘南線も含めた全線が復旧した。

 同日午前7時半ごろ、終点の大鰐駅に着いた上りの始発列車から、大鰐小学校の児童たちが駆け足で降車。朝のにぎわいが戻ってきた。大鰐町の温泉に通う際に使っているという弘前市の豊島孝正さん(80)は「代行バスはあったが時間がかかって不便だった。再開は助かる」と話した。通学で利用している弘前大学人文社会科学部1年の工藤真子さん(18)は「臨時ダイヤは講義の開始時間に合わず、再開を待ちわびていた。事故のないことが一番だが、また長期の運休にならないようにしてほしい」と要望した。

 石川駅では石川こども園、大鰐駅では大鰐保育園の園児がホームに並んで手を振って列車を見送り、歓迎ムードを演出した。

 弘南線(弘前-黒石)と大鰐線(大鰐-中央弘前)は基準値を超えるレール摩耗が判明し、9月25日から運休。11月7日に弘南線全線、同20日に大鰐線の一部が再開していた。弘南線は来年3月まで、変電施設の機器更新のため、特別ダイヤで運行する。

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