自治医大病院、駐車場屋上にヘリポート 着陸後の患者移動時間短く 放射線治療棟も新設

立体駐車場棟の屋上に整備されたヘリポート=7日午後、下野市薬師寺

 自治医大付属病院は7日までに、栃木県下野市薬師寺の同院敷地に、鉄骨6階建ての立体駐車場棟の屋上に整備したヘリポートとがんの放射線治療を専門に行う放射線治療棟が完成したと発表した。両施設は来年1月に運用開始の予定。同院は7日、報道陣に公開した。

 同院によると、現在は大学敷地内のグラウンドがヘリの着陸場所で、着陸後に患者を救急車で搬送し直す必要がある。ヘリポートにより、救命救急センターの手術室へエレベーターで運べるようになり、搬送時間を5分以上短縮できる。受け入れ件数増のほか、重症患者の救命率や社会復帰率の向上が期待される。

 機体重量が重い消防防災ヘリも着陸できる。同センターの間藤卓(まとうたかし)センター長は「(大規模災害発生時に)自治医大が重要な基地となるのを念頭に整備した。栃木県のため、同時に全国のために頑張りたい」と語った。

 放射線治療棟は本館の東側に1日、完成した。鉄骨3階建てで、延べ床面積3129平方メートル。今後、新たな放射線治療機器を2台導入する。うち1台は日々の病状変化に合わせて照射の調整ができる最新型で、同院によると「東アジア初の導入」という。

 更新分を含め、放射線治療機器は現在の3台から4台となる。放射線科の白井克幸(しらいかつゆき)教授は「最終的には現在の2割増の年間1200人の患者を受け入れたい」とした。最新機器の運用開始は4月の予定。

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