地域文化功労に長崎の2団体 県オペラ協会、若宮稲荷神社竹ン芸保存会 文化庁が選出

県オペラ協会が上演する「蝶々夫人」=2017年11月、西彼時津町(県提供)

 文化庁は本年度の地域文化功労者表彰に長崎県内から、いずれも長崎市の「県オペラ協会」(河野茂会長)と「若宮稲荷神社竹ン芸保存会」(後藤清輝会長)を選んだ。
 県オペラ協会は1980年に発足し、県内唯一のオペラ公演団体として活動。長崎が舞台の「蝶々夫人」をはじめ、多くの作品を県民に届けている。キリスト教弾圧や原爆をモチーフにした「いのち」は、新国立劇場地域招聘(しょうへい)公演に選ばれるなど全国的にも活躍している。
 かつて「長崎くんち」に奉納されたと伝えられる若宮稲荷神社(長崎市伊良林2丁目)の「竹ン芸」は、10メートル以上の2本の青竹の上で、狐(きつね)の面を着けたメンバーが曲芸を披露する。同保存会は78年に設立。地域一体で伝統文化の保存、後継者育成に取り組んでいる。
 同協会の篠暁子事務局長は「先輩方がコツコツと取り組んできた活動が認められてうれしい」、同保存会の後藤会長は「これからも末永く続け、後世に残していきたい」と話した。

若宮稲荷神社の大祭で披露される竹ン芸=2022年10月、長崎市(県提供)

 地域文化功労者は、芸術文化の振興、文化財の保護などで功績のあった個人・団体を文部科学大臣が表彰。本年度は全国で94件が受賞し、11月16日に京都市内で表彰式が行われた。

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