演劇通じコミュニケーション能力育む 平田オリザさんら講師の授業 京都・伊根町の小学校

自分たちで考えた登場人物のせりふを基に、演劇に取り組む児童たち(伊根町平田・伊根小)

 京都府伊根町平田の伊根小学校で11月26日、児童たちが演劇を通じて、コミュニケーション能力と創造力を育んだ。劇作家で芸術文化観光専門職大学(兵庫県豊岡市)学長の平田オリザさんや平田さんが主宰する劇団の団員が講師を務め、物語を考えたり、意見を出し合いながら登場人物のせりふを考え、実演したりした。

 4~6年生22人は前半、「先生が長野県からの転校生を紹介した後、児童たちが質問をする」という場面を演じた。後半では転校生の出身地や児童の雑談内容を再構成し、転校生をブラジル出身に変え、片言の日本語で自己紹介したり「早寝早起きするんやで」「おかんか!」と、ぼけとつっこみを加えたりするなど工夫していた。

 平田さんは「話し合いで自分の意見と他人の意見をどう折り合わせていくかが大切」と助言し、4年の児童(10)は「脚本の意見をみんなが取り入れてくれてうれしかった」と笑顔だった。

 1~3年13人は平田さんが主宰する劇団の団員と、「クリスマス」「雷」といった言葉から物語を創作した。

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