多すぎるリタイアの“代償”は大きいとアルピーヌF1のオコン。2024年シーズンは「全開でレースをするだけ」

 アルピーヌF1のエステバン・オコンは、自身の2023年シーズンについて全体的に否定的な評価をされていることを認めており、あまりに多くのインシデントとリタイアが彼のシーズンを「無駄になったチャンス」へと変えてしまったと悔いている。しかしながらオコンはひるむことなく、2024年はアプローチを変革し、“戦闘モード”のメンタリティを採用して何よりもレースパフォーマンスを優先すると誓った。

 苦しいシーズンスタートを切ったオコンは、モナコGPで見事な表彰台獲得を果たした。しかしオコンの状況はそれ以上よくならず、次善の結果はラスベガスGPでの4位フィニッシュだった。22戦のシーズン中、オコンは他車との接触による何度かのリタイアなど、記憶に留めている以上の数の未完走レースに苦しんだ。

2023年F1第7戦モナコGP エステバン・オコン(アルピーヌ)が3位表彰台を獲得

 勢いを取り戻すという決意を固めたオコンは、新たな集中と献身の段階に乗り出すつもりだ。“戦闘モード”への切り替えは、気をそらすものを取り除き、レースでの成功を達成することだけにエネルギーを注ぐという、彼のコミットメントを表している。

「とてもいいこともあったし、とてもいいチャンスもあったと思う」とオコンは今年を振り返って語った。

「でも全体的に一貫性がなかった。それに、あまりに多くのDNFがあった。その代償は大きい。DNFは合計で9回あったと思うが、おそらくどのドライバーよりも多いだろう」

「シンガポールでのギヤボックスの問題と、オースティンでのオスカー(・ピアストリ/マクラーレン)との接触がなければ、僕たちはチャンピオンシップでトップ10に入ることができたはずだ。少しばかりの無駄になってしまったチャンスが原因だった」

2023年F1第16戦シンガポールGP ギヤボックスのトラブルにより、マシンを降りたエステバン・オコン(アルピーヌ)

 2024年にランキングを上げるため、オコンは目の前の仕事に完全に専念する新たな姿勢とともに新年に臨む。

「1月2日から最初のテストまで、僕はトレーニングキャンプに完全に戻る。2022年にやったことよりもさらに多くのことをやるつもりだ。生活などない、全開でレースをするだけだ」

「今年はコースの外で多くのあらゆる活動を行った。その状況は来年変わるだろう。戦闘モードに戻り、完全にレース面に集中する。その前にチームのクリスマスパーティとシミュレーター作業がある」

「しばらく会っていなかった家族と何日か過ごすことができる。12月にはミック(・シューマッハー)や僕の友人たちとも楽しい時間をすごすつもりだ。そしてその後は完全に来年に集中する」

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