オープンAIの提携を精査 英当局、MSの支配権巡り

オープンAIのロゴ=2月(ロイター=共同)

 【ロンドン共同】日本の公正取引委員会に相当する英国の競争・市場庁(CMA)は8日、対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を開発した米新興企業オープンAIと米マイクロソフト(MS)の提携の実態について精査すると発表した。MSはオープンAIに出資しており、支配権を握って公正な競争を阻害していないかどうかを見極める。

 オープンAIはサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)の解任と復帰を巡る騒動で混乱後、MSが投票権を持たないオブザーバーの立場でオープンAIの取締役会に参加することとなった。企業統治の改善が狙いと説明したものの、提携関係にある両社の結び付きが一段と強まる可能性が指摘されている。

 MSのブラッド・スミス社長は「私たちは両社の独立性を維持しながら、AIのイノベーションと競争を促進してきた。CMAとは緊密に連携し、必要な情報は全て提供していく」と表明した。

 CMAは今年4月、MSによる米ゲーム大手の買収計画に反対する姿勢を示した。MSが計画を変更したため、承認した。

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