大人数用のおせちが「復活」 長崎では商戦が終盤 年々早まる予約開始、既に完売も

おせちの見本や写真が並ぶ特設会場=長崎市、浜屋百貨店

 長崎市内の百貨店などで「おせち商戦」が終盤を迎えている。新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類に移行してから初めての新年となるため、大人数用の需要が“復活”。予約開始時期が年々早まり、既に完売した店も出ている。
 長崎市浜町の浜屋百貨店は10月1日から特設会場を設け、72種類を用意。同月中旬から予約が入り始め、十数種類が売り切れた。担当者によると、コロナ禍以降1人前が定番となったが、今年は3万円台の3~4人前の需要も戻った。中でも、京都の老舗がつくる「京おせち」が人気で、取り扱い数を増やした。今月18日まで予約を受け付けている。
 ひぐちグループ(西彼時津町)の「大衆割烹(かっぽう)樋口」築町店も10月1日から予約受け付け。コンビニなどが開始時期を早めているのを踏まえ、例年より2週間ほど前倒しした。最も高額は三段重(3万5千円)で、これを含め計570セットを11月中に売り尽くした。
 同市浜町の老舗「吉宗」は約50年前から販売している。三段重(4万円)までの計1550セットのうち、二段重(3万2千円)が品切れに。予約開始は11月と変えていないが、コロナ禍以降、完売時期が2週間ほど早まった。吉田宗由社長は「急に気温が下がった先日から注文が急増した」といい、来週末には売り切れると見込む。
 同市岩屋町のレストラン「ヨシダのバル」は二段重の洋風おせち(2万2千円)を販売。伊勢エビのアメリカンソース焼きや鴨のロースト、自家製テリーヌなどを盛り付ける。吉田裕貴店長は「いつもと違ったおせちをどうぞ」とPRしている。

© 株式会社長崎新聞社