青森県内2病院で腎移植へ 40代男性脳死 弘前大学病院判定

 日本臓器移植ネットワークは9日、弘前大学医学部付属病院で蘇生後脳症の治療を受けていた40代男性患者が、臓器移植法に基づく脳死判定を受けたと発表した。患者本人の意思表示書面を確認し、臓器提供の手続きに入った。青森県内では、弘大病院と八戸市民病院で、腎移植手術を予定する。県内の医療機関で、2023年に脳死下の臓器提供が公表されたのは4例目となり、年間最多を更新している。

 日本臓器移植ネットワークによると、ドナーの男性は運転免許証で臓器提供の意思を示していた。6日午前10時28分に脳死判定を終え、9日午前3時10分に臓器の摘出が始まった。

 弘大病院は60代女性に、八戸市民病院は30代男性に、それぞれ腎移植手術を行う。東北大学病院では50代男性に肺移植、京都大学医学部付属病院では50代女性に肝移植を実施する。膵臓(すいぞう)、小腸は医学的理由から移植を断念した。

 県内の脳死下臓器提供事例数は、02年の1例目以降、年間0~1例で推移してきた。23年は1、6、8月にも1例ずつ、脳死下での臓器提供事例が公表されている。

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