「THE W 2023」新女王の紅しょうが、熊元プロレス「ちょうどいいラインで品がなかった」賞金は差し歯に

女芸人ナンバー1決定戦「THE W 2023」の決勝が9日、東京・日本テレビで開催され、紅しょうがが新女王に輝いた。賞金1000万円、日テレ人気番組の出演権等を獲得。今年4月に大阪から上京。覚悟を決めた決断が奏功し、コンビに初タイトルをもたらした。

優勝の瞬間、二人の顔の歓喜が広がった。熊元プロレスは瞳をうるませ、稲田美紀は感激の涙を流した。稲田は「一等賞を取れたのはうれしい。一緒にやってきてくれてありがとう」と相方に呼びかけた。熊元は「10年目でやっと『THE W』を卒業できた」と感慨に浸った。

4年連続5度目の決勝進出。昨年に続き通算3度目の最終決戦でついに栄冠を手にした。スパイク、エルフとの大一番。駅のホームを舞台にしたコントを繰り広げ、4票(ドランクドラゴン・塚地、麒麟・川島、笑い飯・哲夫、友近)を獲得し、エルフの2票(アンガールズ・田中、マヂカルラブリー・野田)の2票を振り切った。

予選Bブロックでは相撲部屋を舞台にしたコントを展開。熊元は「ちょうどいいラインで品がなかった。それをいい感じでネタに入れられた」と自己分析。稲田は「強いネタ1本では負ける。2本作れたから優勝できた」とうなずいた。熊元は「『圧』というのが自分たちのチャームポイント。相方も近づいてきてくれた」と、スリムな相方に視線を向け、笑いを誘った。

今年4月に上京。今大会を優勝してから上京する目標を掲げていたが、優勝を手にする前に決断した。稲田が「より負けられないと思った。優勝するしかない気持ちは、お互いにあったと思う」と闘志が高まった。熊元は「なんの結果も出さず、武器も持たずに出てきたので、今年優勝できて良かった」とほっとした表情を見せた。今後の夢については、俳優と結婚することを掲げた稲田。熊元は「『お疲れさ~ん』というギャグが広まれば。人気者になりたい」と語った。

賞金1000万円の使い道について、稲田は「いい焼肉かな。お世話になった人のために使いたい」と語った。熊元は上京前に歯の治療を途中で断念し、右の上奥歯を1本抜いたという。「大阪を出てくるときに何も考えず抜いてしまった。歯は大事なのでやっと入れられる」と、上等の差し歯をつくる考えを明かしていた。

今大会には過去最多過去最多863組が参加。決勝は12組の決勝進出者が3ブロックに別れ、ネタごとに審査され勝ち残りを決めるノックアウト方式。各ブロック1位が最終決戦に進む。麒麟・川島、アンガールズ・田中、ドランクドラゴン・塚地、笑い飯・哲夫、友近、マヂカルラブリー・野田、視聴者データ放送による「国民投票枠」の計7票で審査を行う。最終決戦は、1番手に登場したスパイクのコントで、音声トラブルが発生したため、国民投票枠を取りやめ、6票で優勝者が選出された。

決勝進出者と各ブロックは次の通り。

◆Aブロック(ネタ順で記載)…まいあんつ(初)、はるかぜに告ぐ(初)、スパイク(4年連続4度目)、やす子(初)

◆Bブロック(同)…ハイツ友の会(初)、紅しょうが(4年連続5度目)、変ホ長調(初)、梵天(初)

◆Cブロック(同)…ゆりやんレトリィバァ(3年ぶり4度目※第1回優勝者)、あぁ~しらき(5年ぶり2度目)、ぼる塾(3年ぶり2度目※4人体制では初)、エルフ(2年連続2度目)

(よろず~ニュース・山本 鋼平)

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