フィリピン船団、Xマス補給中止 中国軍艦接近で引き返す

10日、南シナ海の南沙諸島の手前に到達し、中国の軍艦や海警局艦船が接近して乗船者に動揺が広がる中、民間船の船上で行われたミサ(共同)

 【南シナ海洋上・共同】南シナ海で中国の威圧に対抗するため駐留するフィリピン兵らにクリスマスプレゼントや補給物資を届ける民間船2隻が10日未明、パラワン島エルニドを出航した。だが係争海域付近で同日夕に中国の海軍艦などが接近したことで、船団は安全上の問題を理由に中断を決め、引き返した。

 民間船団はフィリピン政府も支持し、沿岸警備隊の巡視船が同行。南シナ海で民間主導の補給船団派遣は初めてとなる見通しだった。

 ただ、巡視船3隻のうち2隻は同日にアユンギン礁(英語名セカンド・トーマス礁)で起きた中国側の妨害で、同行できなくなった。民間船団の一部だった漁船30隻以上も急きょ引き返した。

フィリピンが実効支配する南沙諸島にあるラワック島=2012年6月(共同)
9日、フィリピン・パラワン島エルニド沖で小型船から民間船に乗り込む準備をする市民団体メンバーや報道陣(共同)

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