大阪・関西万博ユニホームに琵琶湖のヨシ利用 滋賀県高島市で刈り取り「万博で文化広げたい」

ヨシ刈りに取り組んだ親子連れら(高島市新旭町針江)

 滋賀県高島市の琵琶湖のヨシを利用した生地が2025年の大阪・関西万博のユニホームの一部に採用されることになり、プロデュースする企業や市民団体、協賛企業の関係者がこのほど、同市新旭町針江の湖畔でヨシ刈りに取り組み、環境問題や持続可能性について理解を深めた。

 ユニホームは作業服販売業「たまゆら」(大阪府枚方市)がプロデュースし、帽子メーカー「シゲマツ」(大阪市)が製品化する計画。両社がユニホームの提供について日本国際博覧会協会と契約している。

 たまゆらは2年前、関西みらい銀行(大阪市)の仲介で、ヨシの生地を手掛ける繊維製造販売業「高麻」(高島市新旭町)と知り合い、ヨシを活用したシャツやスニーカーを製造している。こうした関係性をユニホームにも生かすとしている。

 12月2日、地元の市民団体「びわこ高島の葦(ヨシ)を守る会」の主催でヨシ刈りを実施。約170人が集まり、鎌を使って刈り取った。父親と参加した小学3年の女子児童(8)は「ヨシが役に立ってほしい」と話し、懸命に作業を続けた。

 たまゆらの岡本哲社長(54)はヨシ刈りが二酸化炭素の回収の役割を果たすことなどに触れ「万博でこそ高島で続けられているヨシを守る文化を広めたい」と意気込んだ。高麻の社長で守る会の中村正博会長(62)は「環境問題について高島から発信できることはありがたい」と語った。

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