東芝と沖縄科学技術大学院大学が取り組む「QX」とは 社会課題解決へ共同研究の覚書

 沖縄科学技術大学院大学(OIST、恩納村)と東芝(東京)は、産学連携の推進に関する覚書を締結した。カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)や量子コンピューター技術を社会課題解決に生かすクアンタムトランスフォーメーション(QX)を共同研究し、社会実装に向けて取り組む。先端技術に関する共同研究の他、実証場所の構築や、研究者の人材交流などでも連携する。

 OISTは生命科学や物理科学、数学などの先端研究を行う大学院大学で、5年一貫制の博士課程を置く。分野の垣根をなくすため 学部を設けず、さまざまな専門性を持つ研究者が世界中から集まる。

 東芝は、量子コンピューターによる暗号解読リスクから通信を守る量子暗号通信(QKD)技術に強みを持つ。また軽量で薄く、効率よく発電する「ペロブスカイト太陽電池」の開発も進める。

 OIST担当者は「学術、産業それぞれの強みを生かし、新たなエネルギー関連技術を開発できる」と期待。東芝担当者は「グローバルレベルで科学技術の発展に寄与し、率いていく」とコメントした。(政経部・大川藍)

OISTのギル・グラノットマイヤー副学長(前列右)と東芝の佐田豊執行役上席常務(後列左から2人目)、岡田俊輔執行役上席常務(同3人目)ら(東芝提供)

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