決定機逸の伊東純也が芸術クロスで1アシスト! 中村敬斗も途中出場のS・ランスは2位ニースに競り負ける…【リーグ・アン】

[写真:Getty Images]

リーグ・アン第15節、ニースvsスタッド・ランスが10日にアリアンツ・リヴィエラで行われ、ホームのニースが2-1で勝利した。なお、ランスのMF伊東純也はフル出場、FW中村敬斗は68分からプレーした。
【動画】まさに芸術! 伊東純也のピンポイント過ぎるスーパークロス!

前節、ストラスブールに競り勝って連敗をストップした5位のランスは、リーグ2位のニースとの上位対決に臨んだ。この試合では伊東が[5-3-2]の2トップの一角で先発を務め、中村はベンチスタートとなった。

立ち上がりからホームのニースにボールの主導権を握られて押し込まれるランス。ダラミー、テウマと前線のユニットを組む伊東はカウンターの起点となるべく最前線に陣取る形に。10分には左サイドでポケットを取ったリシャルドソンのプルバックに中央で反応するが、右足のダイレクトシュートはうまくミートできない。

以降も良い距離感でボールを動かして即時奪回を図るニースに押されるランスは、自陣でのビルドアップのミスから幾度もピンチを招く。この影響でロングボールを蹴らされる場面が多く伊東もなかなか良い形で仕掛けるシーンを作れない。

粘り強く守りながら0-0を維持するアウェイチームは30分過ぎに続けて決定機を創出。31分、ハーフウェイライン付近で鮮やかなターンでDFを振り切った伊東が右のスペースに走り込むダラミーにスルーパスを通す。そして、ペナルティアーク付近でリターンパスを受けた伊東が右足を振るが、これはDFのブロックに遭う。さらに、直後に得たFKではサインプレーからテウマの浮き球パスにアブデルハミドが抜け出すが、右足ボレーシュートをミートできなかった。

一連の攻撃でやや相手を押し返すことに成功したランスはこのままイーブンな展開を維持し、前半を最低限のゴールレスで終えた。

いずれも30代の青年指揮官によるハーフタイムの修正に注目が集まった後半は引き続き拮抗。ランスはリーグ最高の堅守を誇る守備陣相手にも持ち味のドリブルで局面を打開するなど、後半もボールが入ればチャンスに絡む仕事を見せる。

だが、先にゴールをこじ開けたのはホームのニースだった。55分、ロングボールのクリアボールを回収したラボルドが味方のランニングをオトリに使いながらボックス手前まで運んで強烈な左足のミドルシュートを放つと、クロスバーの内側を叩いたボールがゴールネットを揺らした。

堅守のホームチームに先にゴールを許す厳しい展開となったランス。ここから攻勢を強めていくが、うまく相手の守備陣に勢いを吸収されてしまう。

そういったなか、66分には伊東にビッグチャンス。アブデルハミドの高い位置での潰しからショートカウンターに持ち込むと、フォケ、伊東、テウマと中央で短いパスが繋がってボックス中央の伊東にラストパスが渡る。だが、右足のダイレクトシュートは惜しくもクロスバーを叩いた。

絶好の同点機を逃した直後には中村とカドラの2人のアタッカーを投入したランスは、伊東が右ウイングバックに配置換え。中村はカドラとともに2シャドーの一角に入った。

すると、この交代策が見事に嵌ってランスがニースの堅守を攻略する。78分、右サイドのスペースでボールを受けた伊東が狙いすました浮き球のピンポイントクロスを供給。中村やカドラがボックス内でポジションを取っていたなか、エリア外から勢いを持って走り込んできたセンターバックのアブデルハミドがストロングヘッドで叩き込んだ。

伊東の芸術的なクロスが演出した同点ゴールによって試合を振り出しに戻したランス。しかし、この数分後に痛恨のミスから勝ち越しゴールを奪われる。82分、ニースの右CKの二次攻撃からボックス右角のボガが放った低弾道のシュートをGKディウフがはじき出すことができず。ボールがそのままゴールラインを割った。

これで再び追う展開となったランスはよりリスクを冒して攻撃に出たが、専守防衛の構えを見せるニースを相手に終盤は決定機まで持ち込むことができなかった。

この結果、上位対決を落としたランスは2試合ぶりの黒星となった。一方、勝ち切ったニースは2位キープに成功した。

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