中国自動車産業の業界団体、全国乗用車市場信息聯席会(CPCA)は8日、2024年の乗用車(セダン、スポーツタイプ多目的車=SUV、多目的車=MPV)の新車販売台数が2,650万台になるとの予測を発表した。23年に比べ5%増加するとみている。電気自動車(EV)など「新エネルギー車(NEV)」とガソリン車がいずれも伸びるとの見方だ。
24年は乗用車の小売り販売が3%増の2,220万台になると予測。ロシア向け輸出の高い伸びが続くとみて、乗用車の輸出台数は430万台と見通した。
NEV乗用車の卸売台数は1,100万台となり、23年から230万台(22%)増えると予測した。卸売り販売に占める比率は4割に達するとみている。
ただ、NEV市場は伸び幅自体が鈍化する見通し。企業のEVやプラグインハイブリッド車(PHV)の需要が落ち着きつつあるほか、一般消費者向けでは大都市での高所得層のEV購入比率が下がっているためで、CPCAは「市場規模が一定の水準まで発展したこともあり、伸び率は鈍化する」との見方だ。中でもPHVの伸びが大幅に縮まる可能性に触れた。
ガソリン車は消費者の需要が高いものの、直近の2年間で投入された新モデル数は大きく減っており、市場を安定させる必要があると指摘した。
CPCAは23年の乗用車販売が2,500万台を突破し、自動車販売全体では3,000万台に迫り過去最高になるとみている。
■12月は年内最高へ
自動車業界団体の中国自動車流通協会(CADA)は9日、今年12月の新車販売台数が年内の単月最高を記録するとの見方を示した。政府の自動車購入促進策やメーカーの値下げ販促を押し上げ要因に挙げた。
自動車ディーラーの34.4%は、来年の乗用車市場が前年比で5%前後の伸びを示すとみていることも紹介した。
■在庫圧力は高止まり
CADAによると、今年11月の「中国自動車ディーラー在庫警戒指数」(数値が高いほど在庫圧力が強いことを示し、50を上回ると警戒水準とされる)は60.4だった。前年同月からは4.9ポイント下がったものの、前月からは1.8ポイント上昇した。50超えは17カ月連続。