圧巻スパーズがニューカッスルに4発快勝! リシャルリソン2発などで6試合ぶりの白星【プレミアリーグ】

[写真:Getty Images]

プレミアリーグ第16節、トッテナムvsニューカッスルが10日にトッテナム・ホットスパースタジアムで行われ、ホームのトッテナムが4-1で快勝した。

5位のトッテナムは前節、ホームでウェストハムとのロンドン・ダービーに1-2で逆転負け。5試合連続で先制点を奪いながらもそのすべてで複数失点を喫する拙い試合運びで5戦未勝利となった。昨季アウェイゲームでの前回対戦で1-6の惨敗を喫した因縁の相手に6戦ぶりの白星を目指した中2日での一戦では先発2人を変更。ロ・チェルソとホイビュアに代えてサール、リシャルリソンを起用。この試合ではリシャルリソンを1トップ、2列目に右からブレナン・ジョンソン、クルゼフスキ、ソン・フンミンという配置で臨んだ。

一方、7位のニューカッスルは前節、チェルシー、マンチェスター・ユナイテッド相手の連勝で勢いに乗ってエバートンとのアウェイゲームに臨んだが、トリッピアーの痛恨の連続ミスが響いてまさかの0-3の敗戦。下位相手の痛恨の取りこぼしとなった。週明けには逆転突破を期すチャンピオンズリーグ(CL)のミラン戦を控えるなか、難敵スパーズとのアウェイゲームでは公式戦5試合連続で同じフィールドプレーヤーを継続。ただ、ベンチにロングスタッフとウィルソンが復帰した。

互いに明確な特徴を持つ強豪同士の一戦は、ボール保持、流動性で勝るホームチームが優勢な入りを見せる。良い距離感、立ち位置でスムーズにボールを循環させるホームチームは、最前線のリシャルリソンに前向きな状態でラストパスが繋がって開始直後から続けてシュートチャンスを創出する。

対するニューカッスルもギマランイスのミドルシュートでファーストシュートを記録すると、9分には相手のハイプレスを引っくり返してビッグチャンスを作る。GKからのビルドアップでうまくプレス回避し、ジョエリントンからのスルーパスに左サイドのゴードンが完璧に抜け出す。だが、決定的なグラウンダーでの折り返しは決死の戻りを見せたDFベン・デイビスの見事なクリアに阻まれた。

10分余りで決定機を作り合うオープンな展開が続いたが、時間の経過とともにトッテナムが押し込む状況に。内と外を効果的に織り交ぜたボールの出し入れによってサイドを中心に効果的にフリーの選手を作り出し、高速クロスやボックス内でのコンビネーションでチャンスの糸口を見いだそうとする。17分には右CKからロメロに2試合連続ゴールのチャンスも、右隅を狙ったヘディングシュートはアルミロンのゴールカバーに遭う。

それでも、攻め続けるホームチームは26分、ロメロの密集を通す縦パスをスイッチにペドロ・ポロ、ウドジェを経由したボールが左のソン・フンミンに渡る。ボックス左で縦に仕掛けた韓国代表がグラウンダーの高速クロスを入れると、ゴール前に入っていたウドジェが左足ダイレクトで合わせた。

圧巻の崩しからのウドジェ加入後初ゴールによって6試合連続先制に成功したトッテナム。しかし、直近の5試合で未勝利というプレミア史上初の不名誉記録を樹立したチームの課題は追加点。それを強く意識するポステコグルーのチームはリスク管理を意識しながらも攻勢を継続する。

そして、ジョンソンの高速クロスから幾度も際どいシーンを作り出すと、再び頼れるキャプテンが突破口を開いた。38分、リシャルリソンの見事なプレスバックでボールを奪い返すと、右サイドのポロが早いタイミングでクロスを供給。DFトリッピアーが触って左サイド深くに流れたボールを回収したソン・フンミンがゴールライン際で仕掛けて打開。角度を付けたプルバックをゴール前のリシャルリソンが左足で合わせた。

待望の2点目を手にしたことで、ゲームコントロール優先の戦い方にシフトする選択肢もあったが、青色吐息のマグパイズに前半でトドメを刺すべく攻撃の手を全く緩めないホームチーム。以降も遅攻と速攻から幾度も決定機を作り出したが、ジョンソンの強烈なミドルシュートが左ポストを掠めるなど前半のうちに3点目を奪うには至らなかった。

迎えた後半、2点のビハインドを追うニューカッスルはハーフタイムで選手交代を行わなかったものの、ゴードンを中央、イサクを左サイドと前線の配置に変化を加えた。これで相手の目先を変えつつ全体のプレー強度を上げると、立ち上がりは右サイドのアルミロンとトリッピアーの右サイドを起点に押し込み、得意のセットプレーからチャンスを窺う。

相手にボールを握られて受けに回ったトッテナムだが、粘り強い守備でニューカッスルの攻撃を撥ね返し続けると、後半はファーストチャンスで仕留め切る。60分、右サイドで浮いたポロが余裕を持って浮き球のクロスをペナルティアーク付近に落とすと、うまくDFラッセルズの背後で受けたリシャルリソンがファーストタッチでうまく相手守備から逃げると、ゴール左からGKドゥブラフカの股間を抜く左足シュートを流し込んだ。

点差、流れを考えても決定的なゴールを奪ったトッテナムだが、大敗した前回対戦の意趣返しも意識してか、なおも攻め続ける。ゴール直後にはいずれもクルゼフスキのチャンスメークからジョンソンのポスト直撃のシュートやソン・フンミンのダイレクトシュートで4点目にも迫る。

敗色濃厚のニューカッスルは64分、イサクとアルミロンを下げて負傷明けのウィルソン、ロングスタッフを同時投入。さらに、ゴードンとリヴラメントも下げてリッチー、ホールと控え選手を続けてピッチに送り出した。

一方、トッテナムは75分手前で殊勲のリシャルリソン、サールをベンチに下げてロ・チェルソ、ホイビュアの投入で試合をクローズにかかる。85分にはポロの絶妙なスルーパスに抜け出したソン・フンミンがボックス内でGKドゥブラフカに倒されてPKを獲得。これをソン・フンミンがきっちり左隅へ流し込み、今季ゴール数を2桁に乗せた。

その後、ホイビュアの軽率な自陣でのパスミスからジョエリントンに一矢報いるゴールを許して久々のクリーンシートを逃したものの、難敵相手に直近5試合の鬱憤を晴らす大勝を飾ったトッテナムが6試合ぶりの白星を挙げた。

一方、疲労困憊で2試合連続大敗のニューカッスルは厳しい状況で週明けのミラン戦に挑むことになった。

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