「刺し傷は55か所 確固たる殺意」母親を殺害した男(51)に懲役10年求刑 「母を尊敬 夢の中で謝っている」と男

3年前、広島市で母親を殺害した罪に問われた男の裁判員裁判で、検察側は懲役10年を求刑しました。

起訴状などによりますと、広島市南区翠の無職・津下英範被告(51)は2020年8月、深夜に自宅で、同居していた母親の英子さん(当時89)の胸などを包丁で多数回突き刺し、失血死させたとして、殺人の罪に問われています。

11日の公判で検察側は「傷は少なくとも55か所あり、確固たる殺意を持って犯行に及んだのは明らかだ」「血のついた包丁やシャツを洗い、自ら通報するなど現実に根ざした行動をとっており、十分に責任を非難できる」として、懲役10年を求刑しました。

一方、弁護側は「血まみれの遺体のそばで寝て、食事をした。異常な精神状態で善悪の判断もつかなかった」として、無罪を主張しました。

津下被告は「母を尊敬しています。夢の中で会ったらただひたすら謝っています」などと述べました。

裁判は11日で結審し、今月19日に判決が言い渡されます。

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