皇后杯での敗戦を受け、横浜FCシーガルズ石田美穂子監督「要所で相手が結果を出した」

横浜FCシーガルズの石田美穂子監督、来季の続投も決定している[写真:©超ワールドサッカー]

ニッパツ横浜FCシーガルズの石田美穂子 監督が、敗れた皇后杯4回戦のスフィーダ世田谷FC戦を振り返った。

ニッパツは10日、静岡県の藤枝総合運動公園サッカー場で行われた第45回皇后杯4回戦で、スフィーダ世田谷FCと対戦し、1-5で敗れた。

立ち上がりにセットプレーから立て続けに2失点を喫し、以降もペースを握れるかというタイミングで被弾。4点のビハインドで前半を終えることとなった。

後半開始以降も攻勢の時間があったものの、65分にしたたかに差を広げられたニッパツ。河野朱里のシュートはクロスバーをたたき、74分に權野貴子がPKを決めて1点を返したものの、反撃は及ばなかった。

試合後、石田監督は「私たちのペースになりそうなところでの失点が重なってしまった」と、主導権争いの中での決定力や積極性の差を痛感した。

「立ち上がりから相手は決めるところをしっかりと仕留めてきて、我々は逆に打てるチャンスでこねてしまうことがありました」

「背後を狙われるのは想定内でしたが、私たちもしっかりプレッシングをかけて、ボールを動かしながら攻撃を組み立てる時間帯も作れました。ただ、私たちのペースになるかなというところで失点、というのが繰り返しされてしまった。そういう部分ではスフィーダさんの方が結果を出したと感じています」

立ち上がりの複数失点や大きなビハインドなど、ともすれば難しいメンタル状況に陥りそうだが、選手たちは動じることなく90分を戦い抜いたと、石田監督は語る。実際、今季のリーグ戦では3点のビハインドから同点に持ち込む(第19節オルカ鴨川戦)試合もあった。

「前半を終えてロッカーに帰ってくる時も、選手たちは『行こうぜ行こうぜ、まだまだだぞ』など、自分たちから声をかけていましたし、今シーズンは私も『1点取られたら2点、2点取られたら3点取ればいい』と伝えていたので、失点が重なったからといってチームが崩れたとは、90分通して感じませんでしたね」

昨季のなでしこ1部の成績は、S世田谷が優勝でニッパツは8位。今季はS世田谷が4位であったのに対し、ニッパツは5位と健闘。対S世田谷戦でも2勝している。

残念ながら今季の戦いは終えることとなったニッパツだが、石田監督は引き続き攻撃的なスタイルを貫きたいと、来季へ向けての言葉を残した。

「強い相手に対しても、ボールを保持してのビルドアップなど、自分たちが主導権を握る時間帯もありましたので、自信を持って戦えるようになればと思いますし、彼女たちの成長を感じます」

「5失点の結果を受け止めながらですけれど、だからといって守備の練習をするよりも、どうすればもっと得点を取れるかの方を大事にして、新シーズンに備えたいと思います」

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