予選敗退から1年…ジムに通い詰めた福井県の38歳女性がボディービル全国6位「何歳になっても体変えられる」

身長163センチ超級のファイナリスト。田中さん(左端)が福井県勢初入賞の6位となった=9月17日、三重県の伊勢市観光文化会館

 ボディービルの全国大会「オールジャパン・フィットモデル・チャンピオンシップス2023」で、福井県福井市の会社員、田中亜衣さん(38)が県勢初の入賞(6位)を果たした。競技歴3年。初出場の昨年大会は予選敗退だったが、仕事の合間を縫ってトレーニングを重ね好結果を導いた。「何歳になっても体は変えられる。女性に希望を与えられたらうれしい」と話している。

 フィットモデルはボディービル競技の一つで、極限近くまで発達した筋肉などはマイナス評価となり、バランスの取れた健康的で優雅な姿が重視される。大会は日本ボディビル・フィットネス連盟が9月に三重県で主催した。

 田中さんは23人がエントリーした身長163センチ超級に出場した。引き締まった175センチの体を華やかな青色のロングドレスで包み、規定のポーズで肉体美を披露。ファイナリスト6人に選ばれ涙を流して喜んだ。

 学生時代にバスケットボールの経験はあるが、その後はスポーツから離れた。フィットモデルを始めたのは36歳。元ミセスワールド日本代表で、国内第一人者の安井友梨さん(39)の存在を知り、あこがれを抱いた。「挑戦は成長につながる」(田中さん)と昼間は営業職として勤務しながら、仕事後や休日に県内のジムに週3日以上通った。ボディーラインの美しさを意識して足、肩、背中など部位を変えながら鍛え、ポージングは県外で習った。

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 約1年で成果が出始め、地方大会で優勝。昨年9月に初の全国大会に臨み、予選12人中最下位だったが「ステージに立つのが楽しかった。来年こそは予選通過する」と努力を続け、有言実行した。優勝したのはあこがれの安井さんだった。田中さんは「体の厚みなど圧倒的な差を痛感した」と振り返り、「来年はメダルを取りたい」と高みを見据える。

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 競技普及にも力を入れている。大会やトレーニングの様子をインスタグラムなどで発信し、反響は上々だ。兼業で、県内のトレーニング教室の講師や、来年開店する日焼けサロンの広告モデルも務める。昔は背が高いことがコンプレックスだったという。「体のことで悩んでいる女性は少なくないと思うので、自分ができることで応援したい」。福井の“第一人者”としてこれからも輝き続ける。

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