「ラブシーンではなく、セックスシーンでした」女性の自由とセクシュアリティの解放を扇動する映画『ラ・メゾン 小説家と娼婦』 妖艶な場面写真と主演女優インタビュー解禁

『ラ・メゾン 小説家と娼婦』© RADAR FILMS - REZO PRODUCTIONS - UMEDIA - CARL HIRSCHMANN - STELLA MARIS PICTURES

原作は高級娼館に潜入した小説家のベストセラー

身分を隠して高級娼館に潜入した作家エマ・ ベッケルの2年間を描き、2019年にフランスで発表されるや賛否両論を巻き起こし た小説「La Maison」を完全映画化した、『ラ・メゾン 小説家と娼婦』が2023年12月29日(金)より全国公開。

このたび、初の娼婦役に挑んだアナ・ジラルドの妖艶な魅力が際立つシーン写真と、劇中で描かれるヌードやセックスシーンに関してのこだわりの役作りなどについてジラルドが明かしたインタビューが到着した。

高級娼館で働いた実体験を小説に

フランスからベルリンに移り住んだ27歳の小説家エマ(アナ・ジラルド)は、作家としての好奇心と野心から、娼婦たちの裏側に惹かれてゆく。そして、大胆にも彼女たちの実情を理解するために、有名な高級娼館<ラ・メゾン>に 娼婦として潜入。危険と隣り合わせの女性たちの日常、そして孤独や恋愛の尽きない悩み……。そこでの日々は、エマにとって新たな発見に溢れていた。そして2週間のつもりが、いつしか2年もの月日が流れてゆく。果たして、エマがその先に見るものとは――。

実際に娼館で働いた体験を小説にするという、一見大胆すぎる取材方法が激しく批判も浴びた小説「La Maison」。しかし同時に、アンダーグラウンドで生きる女性たちのリアルな姿が大きな共感を呼び、 世界16ヵ国で大ベストセラーとなった。

初の娼婦役に挑んだアナ・ジラルドが語る

本作で初の<娼婦>役に挑んだのはアナ・ジラルド。監督のアニッサ・ボンヌフォンが原作の映画化を企画するため、俳優はもちろんダンサーやプロではない俳優とも会っているという噂を聞きつけたことが、全てのきっかけだと言う。

脚本を読んだアナは 「読み進めるほどにキャラクターがますます好きになり、主人公エマのパーソナリティと向き合いたいと思うようになりました」と語り、監督に「会いたい」と直談判したこと、見事に役を得たときに喜びを率直に明かす。

彼女と一緒にお茶をして、自分の中にあるエマの性質の強さを全部見せようと必死になりながらも、その日は弱気になっていたんですが、オーディションを受けさせてくれました。

4、5ページにわたるシーンが5、6個あったので、英語のコーチに連絡して、1週間一緒に練習してもら いました。最初から本当にチャレンジでした。そのチャンスに飛びつき、そして、アニッサから 『役が決まったよ』 と言われました。

「これは“ラブシーン”ではなく、間違いなく“セックスシーン”でした」

<強く美しい肢体>も需要なキーになる本作。演じるにあたってアナ・ジラルドは「2カ月間、クレイジー・ホース(パリの有名なナイトクラブ)のダンサーと一緒に働き、歩き方、人の目を見ること、自分の体をコ ントロールすること」を教わったという。

自分の体やイメージ、そして官能性を受け入れることに努めました。そして、時には全裸でハイヒールだけ、というごまかしの効かない姿で鏡の前でダンスを習い、“自分の体を見ることが、どのような感覚なのか”を体験しなければなりませんでした。

そして、劇中を彩る多くのヌードやセックスシーンに関しても、以下のように振り返る。

驚くほど穏やかでした。監督のアニッサは自分の物語と脚本に完全にコミットしていました。セックスシーンでは、カメラの動きや振り付け、想像を絶するような体勢でのジェスチャーなど、監督がひとつひとつ丁寧に説明してくれました。これがラブシーンとの大きな違いで す。つまり、これは“ラブシーン”ではなく、間違いなく“セックスシーン”でした。

アニッサの指導は私たちを安心させ、必要なことはすべてアニッサが受け持ってくれました。セックスシーンの意図が説明されないと、とても不快な気分になります。ですが監督の場合は、その重要性を理解してくれていたので、恥ずかしいことや隠しごとは一切なかったんです。

「真のテーマは女性のセクシュアリティと欲望」

『ワンダーボーイ』(2019年)で熱い注目を浴び、『マダムのおかしな晩餐会』(2018年)、『THE INFORMER 三秒間の死角』(2019年)など女優としても活躍する気鋭の女性監督アニッサ・ボンヌフォンは、原作者からの強い希望で本作に起用された。

ボンヌフォンは本作の公開にあたって、「女性が自分の身体をコントロールする権利、つまりはセクシュアリティをコントロールする権利が今、問われている。この映画の舞台が売春であるならば、真のテーマは女性のセクシュアリティと欲望である。だからこそ、『ラ・メゾン 小説家と娼婦』のような映画は、今日、強い共感を呼んでいるのだと思います」とコメントを寄せている。

『ラ・メゾン 小説家と娼婦』は2023年12月29日(金)より新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開

木曜深夜「プライベート・シアター」はCS映画専門チャンネル ムービープラスで放送中

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