静岡市の特養ホームの資金を横領した疑いで前理事長の男と団体職員の男が逮捕された事件で、警察はさらに約2900万円の資金を着服していた疑いで12月11日、2人を再逮捕しました。
業務上横領の疑いで再逮捕されたのは、社会福祉法人の前理事長で元警察官の男(43)と団体職員の男(52)です。
警察によりますと、2人は2022年10月11日から11月25日までの間に、社会福祉法人の口座から少なくとも十数回にわたり約2900万円の資金を2人が関係する会社などの口座に移した疑いが持たれています。
2人が最初に逮捕されたのは2023年11月21日。2022年10月、共謀して元警察官の男が当時理事長を務めていた社会福祉法人の口座から現金1500万円を2人が関係する会社の口座に移した疑いで逮捕されました。
<社会福祉法人が運営する特養ホームの施設長>
「(元警察官の男は)『これからここの施設長をやります』といったあいさつなどもなく、(施設の運営に)入ってきたので、私たちの中では『この人たちは何者?』みたいな」
社会福祉法人が運営する特養ホームの施設長によりますと、資金に不審な動きが出始めたのは、元警察官の男の理事長就任直後の2022年10月から。介護報酬を担保に融資会社から5000万円を借り入れると、次々と2人が関係する会社の口座などに振り込まれているのが確認できました。
団体職員の男と元警察官の男は大学の部活動などの先輩と後輩の関係で、元警察官の男は逮捕後の警察の調べに対して「犯行は団体職員の男の指示だった」と供述しているということです。
社会福祉法人が運営する特養ホームをめぐっては、使い道の分からない資金は7400万円にのぼり、警察は金銭の流れについて引き続き、捜査する方針です。