【マレーシア】JICA、国家バイオマス会議で事業紹介[農水]

国際協力機構(JICA)は11日、マレーシアの行政都市プトラジャヤで開催された「国家バイオマス会議2023」に、パーム農園の持続的土地利用などの事業を紹介するブースを出展したと発表した。

JICAは、2019年に日本とマレーシアの国際共同研究事業である「ストレップスOPTプロジェクト」を開始。同事業では、パーム農園の持続的な土地利用と再生を目指した、アブラヤシの古木(パーム古木=OPT)への高付加価値化技術の開発を手がける。OPTの有効利用では、最終的に実社会で活用することを目指す。また、ヤシ殻や枝葉などを活用した燃料用ペレットの原材料になるファイバーサンプルも開発する。

JICAは、今月6~7日に開かれた同会議で、ストレップスOPTプロジェクトをパネルで紹介したほか、OPTを中心としたパームバイオマスを活用した事業の成果品を展示した。多くの来場者がジョホール州クルアン農園で製造した各種バイオマスサンプルに興味を示したという。

ブースには、マレーシアのファディラ・ユソフ副首相兼プランテーション産業・商品相も訪問した。JICAは、事業を通じてバイオマス活用に関わる開発や研究に取り組み、マレーシアのバイオマス産業の活性化に貢献する考えを示した。

国家バイオマス会議2023は、バイオマスの利用とESG(環境・社会・企業統治)イニシアチブにおける重要な役割についての包括的な理解を促進させることなどを目的に開催された。会議では、森林や農業、畜産、漁業部門のバイオマス資源に焦点を当てた「国家バイオマス行動計画2023~30(NBAP2030)」も発表された。

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