【MLB】大谷、前代未聞の契約が明らかに 7000万ドル中6800万ドルが「後払い」

写真:大谷の驚くべき契約内容が明らかに©️Getty Images

日本時間12日朝、大谷翔平のドジャースからの年俸支払いに関する驚きのニュースが出た。1年あたり7000万ドル(約101億円)の年俸のうち、大谷がその年に受け取るのは200万ドル(約3億円)分のみ。残りの6800万ドル×10年、つまり6億8000万ドルは契約終了後の2034年以降10年間で受け取るというのだ。

この契約内容はスポーツ専門メディア『ジ・アスレチック』のファビアン・アルダヤ氏ら複数の記者が自身のX(旧Twitter)などで報じた。アルダヤ氏によればまもなく正式に契約が結ばれる見込みだという。

この契約を結ぶ大きな利点は、ぜいたく税法上における大谷の支払額が(実際に受け取る年俸額よりも)はるかに小さくなる点だ。

ぜいたく税(正式にはCompetitive Balance Tax、略してCBTと呼ばれる)制度は、チーム年俸がある一定の金額を超えるごとにペナルティとして罰金が請求される制度だ。

ぜいたく税の計算に使われる年俸には、単純にその年に支払われた金額ではなく、労働協約にのっとって独自の計算方法で算出される。その中に後払いにすることでぜいたく税上では年俸が大きく割引されるという条項が存在する。

正確な金額は不明だが、『ESPN』のジェフ・パッサン氏ら複数の関係者によれば大谷のぜいたく税上の年俸はおよそ4600万ドル、つまり2500万ドル近くも減額されている扱いとなる。

大谷側はこの契約条項を理解した上で、ドジャース側にこの前代未聞の契約を提案したようだ。

契約規模に加え、契約の内容も異例づくしの大谷だが、今回の契約が今後もまかり通るのかというのは疑問だ。もしこれが許され続けるのであればぜいたく税のシステムは破綻しているといっても過言ではない。何らかの形で労働協約が修正される可能性は十分にあるだろう。

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