愛らしい「姫だるま」ずらり 新年に向け、竹田市で制作が最盛期【大分県】

新年に向け、制作がピークを迎えている伝統工芸品「姫だるま」=竹田市吉田の「ごとう姫だるま工房」

 【竹田】家庭円満や子孫繁栄、商売繁盛の願いを込めた竹田市の伝統工芸品「姫だるま」作りが最盛期を迎えている。工房には、見る人を笑顔にする愛らしいだるまがずらりと並ぶ。

 市内吉田のごとう姫だるま工房では、後藤明子(めいこ)さん(86)と長男の妻久美子さん(66)、孫の妻宗子(そうこ)さん(40)が中心になり、絵付けなどに追われている。地域には新年の縁起物として事業所などに配る風習「投げ込み」があり、今月下旬までに約200体を仕上げる。

 姫だるまの表情は、つましい暮らしの中で家族の絆を育んだ旧岡藩下級武士の妻「綾女(あやじょ)」がモデル。木型に和紙や新聞紙を貼り合わせて形を作り、顔料などで色を付ける。顔の周囲に松竹梅、背面には厄よけの宝珠を描く。大きさは20~50センチの5種類。1体の制作に約1週間かかるという。

 明子さんは「皆さんの健康や幸せを願って作っている。新年がいい年でありますように」と話した。

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