平川亮の元チームメイト、メモ・ロハスが現役引退。グランダムとELMSで計6冠、デイトナ3勝誇る

 グランダム・ロレックス・スポーツカー・シリーズで4度のチャンピオンに輝いたメモ・ロハスが、レーシングドライバーのキャリアに終止符を打つこと表明した。

 メキシコ出身のロハスは現在42歳。彼は12月11日の夕方に自身のSNSを通じてこのニュースを公開し、アメリカとヨーロッパでトップレベルのスポーツカーレースに17年間参戦した後、現役を引退することを明らかにした。

 チップ・ガナッシ・レーシング(CGR)で獲得したグランダムでの4つのタイトルに加え、ロハスは2017年と2019年にそれぞれGドライブ・レーシングとIDECスポールで、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのトップカテゴリーであるLMP2クラスでシリーズチャンピオンを獲得。Gドライブでは平川亮とレオ・ルーセルとチームを組んでいた。

 彼はまた、デイトナ24時間レースで3勝を挙げ、セブリング12時間レースでも1勝をマークしている。

「31年のキャリアを通して、僕は想像もしなかったようなことを経験し、夢を叶えることができた」とロハスは語った。

「アメリカやヨーロッパで優勝することもできたが、優勝やチャンピオン獲得にとどまらず、このスポーツ界でもっとも情熱的で、貴重で、才能にあふれた人々と出会い、ともに働くことができたのは本当に素晴らしいことだった」

「なぜ僕がやめることにしたのかと疑問に思うかもしれないが、答えはとても簡単だ」

「今日、僕は人生でもっとも重要な目標のひとつに到達したと感じており、プロのレーシングドライバーとしての生活に終止符を打つときがきたんだ」

「正直に言うと、それは決して簡単なことではなかった。僕はたくさんの時間をかけて考え、飲み込んで、最終的に決断した」

「新しい世代に道を譲るときであり、モータースポーツが僕に与えてくれたものを少しでもお返しするタイミングだと思う。そして何よりも、トップレベルで戦うために必要なエネルギー、コミットメント、犠牲は莫大なものなので、一時停止していた人生の他の部分に集中するときがきたと感じたんだ」

「これまでの道のりは険しかったが、満足度ははるかに高かったよ」

 ロハスはメキシコの通信大手、テルメックスの支援を受けてフォーミュラ・ルノーV6ユーロカップ・シリーズまでシングルシーターの階段を登り、2007年にスポーツカーレースに転向した。

 同年にチップ・ガナッシ・レーシングの一員となったロハスは、2013年末にグランダムとALMSアメリカン・ル・マン・シリーズが統合されるまで同チームに在籍した。

 ロハスは統合されたIMSAユナイテッド・スポーツカー選手権でさらに2シーズンを過ごし、2014年末にガナッシを離れて実験的なデルタウイングで1シーズンを過ごした後、2016年からELMSに戦いの場を移す。

 その年、彼は通算8回出場したル・マン24時間レースでの最初のレースに臨んだ。ル・マンはすべてLMP2クラスからの出場となり、最高位は2019年のクラス5位だった。

 今季2023年シーズンは自身初のWEC世界耐久選手権に参戦。ハイパーカーの準備のためLMP2クラスにステップダウンした、アルピーヌ・エルフ・チームの35号車オレカ07・ギブソンをアンドレ・ネグラオ、オリ・コルドウェルとシェアしたが、シーズン全体を通して苦戦を強いられ、スパとモンツァでのクラス8位が最高位だった。

2019年ELMSシリーズチャンピオン獲得を喜ぶメモ・ロハス(中央/IDECスポール)
グランダムで4度王者に輝いたメモ・ロハスはELMSヨーロピアン・ルマン・シリーズでも2017年と19年の2度チャンピオンを獲得している

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