発見まで9時間...「助けて」の声に高校生4人 道端で倒れた女性救助に貢献、那須地区消防本部が感謝状

感謝状を受け取った(左から)山口さん、真島さん、小松さん、渡辺さん。右は佐藤署長

 散歩中に転倒した80代の女性の救助に貢献したとして、那須地区消防本部は11日、いずれも那須清峰高1年の渡辺虎太郎(わたなべこたろう)さん(16)、小松優陽(こまつゆうひ)さん(16)、真島優太(まじまゆうた)さん(16)、山口隼汰(やまぐちしゅんた)さん(15)に感謝状を贈った。現場は人通りがほとんどなく、女性が転んでから発見されるまで約9時間が経過していた。

 10月22日午後7時50分ごろ、遊んだ後に帰宅するため那須塩原市橋本町地内を自転車で走っていた4人は、坂道の下の方から「助けて」という声を耳にした。声のする方へ駆けつけると、道端で倒れている女性を発見。女性は「散歩の途中で転んだ。腰が痛くて動けない」と言っていたという。

 山口さんが携帯電話で119番通報した後、小松さんと真島さんは人通りのある通りに出て救急車を誘導。渡辺さんと山口さんは女性に「もう大丈夫」などと声をかけ続けた。救急隊到着後も、4人は手持ちのライトで現場を照らすなどして救護活動を補助した。

 黒磯消防署で感謝状を手渡した佐藤国男(さとうくにお)署長(60)は「4人に見つけられなければ低体温症などで命が危なかったかもしれない。迅速、的確に行動してくれたことを頼もしく思う」とたたえた。

 渡辺さんは「(女性から)何度も『ありがとう』とお礼を言われ、うれしかった」、小松さんは「最初は慌てたが、自分の知識やできることで役に立てて良かった」、真島さんは「こういう経験は初めて。自信がついた」、山口さんは「これからも困っている人がいたら助けたい」と喜んでいた。

佐藤署長から感謝状を受け取る(左から)渡辺さん、小松さん、真島さん、山口さん

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