被告「統合失調症の診断は誤り」 検察側は「心神耗弱」を主張し無期懲役を求刑 愛媛一家3人殺害事件

愛媛県新居浜市内の一家3人をナイフで殺害したとして、殺人などの罪に問われている男の裁判で12日、検察側は無期懲役を求刑しました。

住所不定・無職の河野智被告は、おととし10月、新居浜市垣生の住宅で岩田友義さんと妻のアイ子さん、それに三男で職場の同僚だった健一さんの一家3人をナイフで殺害したとして、殺人などの罪に問われています。
裁判では河野被告の刑事責任能力の有無やその程度が争点となっています。

松山地裁で開かれた12日の論告求刑公判で検察側は、犯行当時の河野被告は、統合失調症を患いその影響を受けていたが、判断能力を完全には失っていない「心神耗弱」だったと改めて主張しました。
そのうえで「殺傷能力の高いナイフを用いるなど強固な殺意に基づく凄惨な犯行で被害結果は重大、遺族も厳重な処罰を望んでいる」などとして無期懲役を求刑しました。

一方、弁護側は犯行当時、河野被告は統合失調症による妄想で生活が支配されていて自らの行為を制御できなかった可能性があり、それを踏まえると刑事責任を問えない心神喪失状態だったとして無罪判決を求めました。

また最終陳述で河野被告は、「統合失調症の診断は誤りで、正常者の発言として裁いてもらいたい」などと述べました。

判決は今月18日に言い渡される予定です。

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